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行政で感染症の分野にかかわる仕事も選択肢の一つ

笠井 俊佑 さん

IFMSA-Japan

東北大学医学部5年

医療系学生インタビュー(29)

国際医療団体での活動で学びと今できる社会貢献を

―今はどのような学生生活を送っていますか?

笠井 5年生から臨床実習が始まり、今は病棟を駆け回る毎日です。4年生までは月〜金で朝から夕方までびっしり授業、その後、各自アルバイトや部活というのが一般的な医学生の生活だと思います。僕は医学生の国際団体であるIFMSAの日本組織、IFMSA― Japan内にある東北大学支部の代表を務めていたので、放課後は大学の勉強以外ではもっぱらその活動に時間を使っていました。

―IFMSAとの出会いは?

笠井 先輩の紹介です。もともと海外とのネットワークに興味があり、医療の面でも海外と連携して行う活動をしたいと思っていました。IFMSAの活動は、自分の目指すものにぴったりだと感じたのです。

―学業も忙しい中大変だったと思いますが、今後の活動の予定は?

笠井 実は、新年度からIFMSA― Japanの代表として活動することになりました。組織の方針を決め、マネジメントをしていく役割です。世界各国のIFMSAや他の団体との連携も図っていきます。

―組織の代表として多くの人をまとめるのは、難しいことも多いのではないでしょうか。

笠井 IFMSAはNGOであり、活動をしたからといって給料が出たり、何か物質的なメリットがあるというわけではありません。参加者の一人一人が学びたい、社会に貢献したいなどの想いから自発的に行う活動です。志を同じくする仲間の集まりなので充実しています。もちろん人間同士、それぞれの適性や性格、相性などもあり、時には意見が衝突したり、物事がうまく回らなかったりすることもありますが、それはどんな組織でも起こること。それらも含めて全てが糧になっています。

―ますます忙しくなりますね。

笠井 大変だとは思いますが、自分の興味のあることなので楽しみです。以前、厚生労働省のインターンシップに参加したことがあります。WHOなどと連携する部署でお手伝いをさせていただき、非常に勉強になりました。そのような経験を活かしてIFMSAに貢献していきたいです。

―医療の道を目指したきっかけはなんですか?

笠井 生き物が好きで、中学と高校では生物研究部に所属し、将来は生き物に関わる仕事がしたいと思っていました。生き物に関わる仕事はいろいろありますが、社会に与える影響、自分の生き方など、人生の充実をいろいろな方面から考えたとき、やはり医療が最高の仕事ではないかと。

―生き物という面から医療に興味を持ったのですね。

笠井 僕はバリバリの理系というわけでもないんです。数学などはどちらかというと苦手意識があるくらい。医療は理系とはいいながら、人を相手にする仕事です。数式を扱うよりも文章を扱ったり、書物や経験からいろいろなものをインプットしていったりという文系的な側面が多々あります。臨床でもコミュニケーションが重要になります。むしろ営業に近い仕事のように思えることもあります。

―5年生になり医療の中でも進む分野が見えてきたでしょうか?

笠井 今は感染症の分野に興味があります。大学のカリキュラムとして研究室に所属した時も感染症であるデング熱のウィルス検出法の研究をしました。フィールドワークでフィリピンにも行き、自分が目指す二つのこと……、感染症の研究と海外とのネットワークの両方が満たされ、とても有意義な経験でした。

自分なりのビジョンを持って、6年間の大学生活を有意義に

―将来の目標は?

笠井 感染症分野の研究も視野に入れて学んでいきたいです。病院に勤めるなら、感染症の治療に携われる、もしくはその分野に強い病院で働けるといいですね。10年後などを考えれば、行政で感染症のマネジメントやロジスティックに関わる仕事をしてみたいです。

―影響を受けた人などはいますか?

笠井 感染症の研究室でお世話になった先生には、将来の進路などいろいろ相談しています。感染症の研究者として、宮城の特産品であるカキのノロウィルスの検出をはじめ、国内外のさまざまな分野のフィールドで活躍されていて、話を聞くたびに刺激を受けています。

―後輩の医学生にメッセージをお願いします。

笠井 自分もまだまだ勉強中で偉そうなことは言えませんが、医学部の特徴として6年間学べることがあります。自分が4年生を終えてみて、もし普通の学部であればここで就職するか、大学院に進むか、いずれにしても新しい場所に出ることになる。けれど医学生なので、これまでの続きとしてあと2年学ぶことができます。その長い期間を自分なりに活用してほしい。短期的なビジョンと長期的なビジョン、両方を持ちながら学生生活を送るといいですね。もちろん、途中でやりたいことが変わったり、紆余曲折があったりするのは当たり前。それでもビジョンを持つということは大切だと思います。

ドクターズプラザ2018年9月号掲載

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