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臨床栄養士という患者さんの命を預かる仕事を

宮原 明日香 さん

栄養系学生団体「N」

東京農業大学栄養学科

栄養学という視点からあらゆるジャンルへ取り込んでいく

―管理栄養士を目指そうと思ったきっかけは何ですか?

宮原 母が幼稚園教諭なので、私も幼稚園教諭を目指していました。でも中学2年生のころに職業体験で行った幼稚園の給食を見て、こういう給食を作る仕事って面白そうだろうな、と感じたことが管理栄養士を目指すきっかけの一つになったと思います。

―具体的に管理栄養士になろうと思ったのはなぜですか?

宮原 幼稚園教諭という夢を諦めてから特に夢などを持たずに高校に進学し、高校2年生でいよいよ進路を考えていかなければならないとなったころから一生、続けていける仕事は何だろうと考えるようになりました。いろいろ考えているうちに、興味があるものを仕事にしたいと思うようになり、自分の好きなことは何だろう? と考えてみると、「食べること」や「食べ物を作っている様子を見ること」だったので、食に関する仕事に就きたいと思うようになったんです。そして、行き着いたのが管理栄養士という仕事でした。

―現在、栄養系学生団体「N」の代表とのことですが、「N」の概要を教えてください。

宮原 栄養士や管理栄養士を目指している大学生や短大生、専門学校生が集まって活動している学生団体です。2008年に発足した団体で、現在は27名で活動しています。栄養士と一言で言っても、管理栄養士やスポーツ栄養士など、活動の場はさまざまです。「N」では、臨床や農業、スポーツをはじめ、一見食とは関わりが少ないような集団やコミュニティーにも、食や栄養の大切さ・面白さを伝えようと活動しています。他団体や企業の方とコラボしてイベントを企画することもあります。勉強会や料理教室だけでなく、農家さんの手伝いや、少年サッカーチームでの栄養講習など、幅広く取り組んでいます。

―「N」に入ったきっかけを教えてください。

宮原 私は推薦入試で大学が決まったので、入学までに時間があったんですね。そこで学生団体などに参加して入学前にできることがあれば、と探して出会ったのが「N」でした。イベント開催前は1週間に2、3回ミーティングをする等、忙しくなりますが、普段は1カ月に2、3回の活動なので、日々の勉強にも負担なく活動ができています。

―これまでの活動の中で印象的なものはありますか?

宮原 サッカークラブの栄養指導です。子供だけでなく、保護者にも来ていただき、スポーツ栄養について簡単に分かりやすく伝え、これからのスポーツ活動に役立てていただくことを目的としています。五大栄養素のことや、スポーツをする際の注意点などを絵や図を使って伝えました。また子供たちも飽きないようグループワークなども取り入れました。皆さん真剣に聞いてくださり、最後の質問タイムではスポーツドリンクのことや食事のこと、また夏場の塩分補給やその量などさまざまな質問をいただきました。私たちも授業では詳しく学ぶことのできないスポーツ栄養について勉強できる良い機会になりました。また保護者からこのような機会はあまりなくとても役に立つというお声をいただきました。お子さんがスポーツをしていてもいなくても保護者の方は食事などに気を使うと思います。しかし、子供の食事についての話を聞ける場は多くはありません。これからの「N」の活動としてそのような場を作ることもできたらと思っています。

重い疾患にも重要。食事からのサポートの意味を知る

―大学生活はどうですか?

宮原 入学してみて、想像以上に医療系に近い勉強をすることに驚きました。入学前は食材や調理に関することをメインに勉強すると考えていたのですが、生物や化学の授業なども多くあります。今は、臨床栄養学という授業が面白くて、もっと追求していきたいと思います。

―臨床栄養学とはどのような学問でしょうか?

宮原 さまざまな疾患や病態などに栄養学がどのように関わっているかを追究していくものです。管理栄養士にとって患者の病態を見てその人にあった栄養管理を行う際にとても役に立つ重要な学問だと思います。去年の7月に母がくも膜下出血で倒れたのですが、入院していた病院のお医者さんや看護師さんが、食についてきちんとアドバイスをしてくれました。医療が発展している現代においても、食からのサポートの役割は非常に大きいことだと実感しました。人や病態によって何を食べていいか、何を食べるべきかが変わってくるので、臨床栄養学は命を預かる仕事だなとも感じます。

―どのような管理栄養士になりたいですか?

宮原 例えば糖尿病のような、何か病気を患っている方の食事は塩分も制限されていますし、何となく食欲がなくなってしまうような食事が多いと思います。でも食事は楽しい方が絶対良いと思いますし、そういう患者さんにも食事を楽しんでもらえるようサポートができる管理栄養士を目指したいと考えています。

―卒業後は、どんなところで働きたいですか?

宮原 母が病気になったことで、「臨床栄養学」の重要性が分かりました。それで、今は病院や介護施設などの臨床栄養学の道に進みたいと思っています。

ドクターズプラザ2019年5月号掲載

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