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数学科から医学部に転身

笹本 浩平 さん

大阪どまんなか

京都府立医科大学医学部医学科

医療系学生インタビュー(10)

経済的・健康的な豊かさで地域を健康に

30歳で医学部に

―医師になろうと思ったきっかけは何ですか?

笹本 僕はもともと数学を専門とする学科を卒業して、眼科で勤務する機会がありました。その時、患者さんが治って帰られる姿を見て、医師は素晴らしい仕事だなと思いました。それで、医師になりたいと思い、受験モードに気持ちを切り替えて、30歳の時に京都府立医科大学に合格しました。眼科での勤務がターニングポイントだったのだと思います。

―学生生活はどのように過ごしていますか?

笹本 5年生の時から『大阪どまんなか』という勉強会を大阪大学と共同で開催しています。総合診療勉強会をやろう、それも大阪だけでなく、全国の医学生や研修医さんを集めて勉強会を開催しようと考えました。有名な先生を集めた無料のレクチャーや、ワークショップに参加してもらえるような空間を作る。それで全国の医学生が刺激し合って、より大きなイベントを各地で開催して頂けたら良いなと。そのような空間を作りたいと思って動いています。参加者からスタッフを募集し、スタッフも参加者になれる、そのような空間作りを目指しています。『大阪どまんなか』は今まで5回開催していて、全国から1回あたり70人から140人を集める大きなイベントになりました。

―そのようなイベントをやろうと思ったきっかけは?

笹本 何で僕らは府立医大だけで勉強しているのかな、という素朴な疑問からです。全国には医学生が5万人程度いますが、何でこんなにバラバラなんだろうと。いろいろ考えた結果、勉強会があればみんな集まるのではないかと、そういう場を設ければ良いのだと思いました。そういう場があれば友だちができますし、新しい価値観も入ってきます。自分は36歳なので、20歳くらいの若い人の熱い心が欲しいんですよ(笑)。そういうのをもらいに行くために、勉強会を作れば良いじゃないか、と考えました。

―思い出に残る出会いはありますか?

笹本 例えばIONという看護学生の団体がありますが、あれだけ忙しい看護学生さんでも勉強したい、つながりたいという心を持っているのだということに感動しました。そのような違う分野だけれど同じような考えを持って頑張っている人たちと出会えたことが嬉しかったです。僕が30歳で医学部を受験して、36歳までやってこられたから出会えたと思いますし、もし現役の時、医学部に行っていたら今の仲間に出会わずに普通に過ごしていたのかなと思います。人生っていうのは全部が足し算というか、自分は数学が好きなので、経験と小さな時間を掛けて全部足し合わせると今の自分がある、みたいな、積分のような考え方でいるので、ちょっと12年間違うことをやってきたからこういう出会いができたのかなと思います。

若い人は大きな目標を

―何科に行きたいという希望はありますか?

笹本 総合診療科か総合内科ですね。最初に患者さんと触れ合うことができますし、そのことによってその患者さんのバックグラウンドを考えながら疾患に向き合って治していくことができます。いろいろなチャンネルを持って患者さんに接することのできる診療科ですし、こういう仕事をしていたからこういう病気になり、こういう治療をしました、というような、患者さんの過去から未来までを見るような診療がしたいと思っています。

―将来はどんな医者になりたいですか?

笹本 地域の開業医さんか保健所長さんになりたいです。地域を健康にするために、経済的な豊かさと、健康的な豊かさを融合できるような医師になりたいです。健康であれば働ける、働いて頂ければその地域に税金が落ちていく。そのような当たり前のシステムを理解して実践できる医師になりたいです。医療にはお金の部分もあれば、人の部分、物の部分もあるので、そういったいろんなチャンネルを持って見るためには、やっぱり総合的な視点を持って、地域で働けるお医者さんが良いのかなと思います。地域全体を豊かにするような医師を目指したいと思います。

―読者へのメッセージはありますか?

笹本 若い方は、大きな目標を持つと良いと思います。いつまでも若かりし頃の心を忘れずに、目標を大きく持って欲しいです。目標があれば、そこから引き算して今の自分の行動が決まってくると思うのです。目標が低ければ引いてしまうともっと小さくなり、行動自体が弱ってしまいます。目標を今の自分より必ず高く、むしろ“叶わないかな”くらいのところまで持って行って、そこから引き算をして、今の自分が存在するって考えれば、大きく育っていくと思います。

総合診療勉強会「大阪どまんなか」参加者集合写真

ドクターズプラザ2016年3月号掲載

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