齋藤 朱花 さん

東京大学・医学部医学科6年生

2022/01/25

患者さんの人生に 寄り添える医師になりたい

医療系学生インタビュー(51)

ある医師との出会い。ある女性との出会い

―医師を目指したきっかけは何ですか?

齋藤 母が関節リウマチの病気を患っていて、その時の担当医師が母の療養生活をすごく考えてくれました。「仕事がしたい」とか、「育児がしたい」といったような、母の希望に沿うことを考えてくださったおかげで、母は生き生きと自分の人生を謳歌していけるようになりました。私も患者さんの人生に寄り添えるような医師になりたいと幼少期に思ったことがきっかけです。高校卒業後の進路を選ぶ上で、私は理系科目が得意だったので理系に進みたいという気持ちがありました。高校は進学校でしたので研究者や医者を目指す人が多かったという雰囲気もあって、幼い頃から憧れていた医師を目指したいという思いになり、最終的にそこに落ち着いたという感じです。

―東京大学医学部を選んだのは、なぜですか?

齋藤 中学生の時に塾で数学を教えていただいていた女性の先生が、その当時、東大医学部生の方でした。その頃の私は真面目に勉強をしないような生徒でしたが、先生は丁寧に、そして熱心に指導してくださいました。自分も先生のように、どんな相手に対してもおごり高ぶらずに、真摯に接し、謙虚な姿勢を続けられるような人になりたい、先生のような方になれたら、と思い、勉強にも身が入るようになりました。東大医学部には、こんな素敵な方がいらっしゃるのだと思い、その先生に憧れて目指したということもあります。

―学生生活はどのように過ごしていますか?

齋藤 低学年の頃は、出身地の茨城県・つくばみらい市の観光大使をさせていただきました。地元の市役所の方や商工会の方をはじめ、さまざまな職種の方と関わる機会が多くあり、とても貴重な経験になりました。アカペラサークルやピアノの会にも所属し、塾講師のアルバイトもしていて、忙しい日々を送っていました。留学は3回行かせていただきました。ニュージーランドで1カ月間語学留学をさせていただき、ホームステイをしたのはとても楽しい思い出です。大学のプログラムでニューヨークにあるコロンビア大学の研究室を訪問させていただいたり、コペンハーゲン大学のグローバルヘルスを学ぶプログラムにも参加させていただきました。学内では、東京大学院医学系研究科の医療経済政策学講座にて医療価値評価を学び、また研究データの解析もさせていただきました。

学生時代の経験を糧に将来へ

―学生生活で挑戦されたことはありますか?

齋藤 もともと公衆衛生に興味があり、新型コロナウイルスの感染が拡大してからは、さまざまなオンラインの勉強会に参加しました。そこで公衆衛生に興味がある他大学の学生と繋がり、一緒に政策提言活動のようなことをさせていただきました。そのテーマがポリファーマシーだったので、東京大学のポリファーマシーがご専門の先生から、インド老年医学学会のディベート大会への参加にお声掛けいただきました。英語にはかなり苦手意識があったので、そういう機会を頂けるならば挑戦して苦手克服のために頑張ろうという気持ちもあって、5年生の時に英語のディベートが得意な友人と2人で参加しました。

―将来は何科に進まれますか?

齋藤 現時点では、患者さんの全身を総合的に診ることに興味があるので、救急科か総合診療科を考えています。もともと公衆衛生に興味があったので、社会との関わりが強い診療科ということも考えて、今はその2科が魅力的です。臨床をやりたいと思っていますが、いずれは社会のシステムに還元できる視点を持つ医師になれたらいいなと思っています。将来は、行政にも携わりたいと思っているので、さまざまな地域のいろいろな形の医療を経験したいと考えています。離島や、過疎地域など医師が不足している地域でも経験を積んで勉強させていただき、いずれ生かしていけたらと思います。

―最後に医学部の後輩へ何かメッセージがありましたらお願いします。

齋藤 地元の観光大使をさせてもらい、自分と全く違うバックグラウンドの方や年齢層の違う方々と交流できたことや、サークル活動やアルバイトでも医学部以外の方と積極的に関わるような機会を持ったことは、自分にとってはとても貴重な経験になったと思っています。それから、コロナ禍で諦めなければならなかったことや残念に思うことがあった反面、オンラインの勉強会を通して学外の友人たちと繋がることができ世界が広がったことが良かったので、そういう機会を持てるといいかなと思います。もちろん、学内の同期との繋がりもすごく大切だと思うので、気の合う友人、腹を割って話せるような友人を学内でたくさんつくることができたのは、大切な財産だと思っています。