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医療の谷間に火を灯し、理不尽と闘う医者になりたい

岩瀬 翔 さん

AMSA-Japan(アジア医学生連絡協議会)

自治医科大学

医療系学生インタビュー(18)

世の中の理不尽を解消したくて医者を目指す!

――医者を目指そうと思ったきっかけは何でしょうか。

岩瀬 僕は理不尽と戦いたいという気持ちがあって、医者を目指しています。そのきっかけは小学2年生の時に起こった中越地震です。新潟から東京に引っ越してきて半年後に中越地震が起こり、新潟の友達も被災しました。その時、東京の友達は「東京に引っ越してきてラッキーだったね」と声を掛けてきてくれたんですね。それを聞いて、ほんの些細なタイミングで災害に遭わなかったことを「ラッキーだった」という言葉で片付けていいのかと小学生ながらに考えてしまったんです。それで、場所や環境で変わってしまう運命と戦えるようになりたいと思いました。

――自治医科大学に進学したのはなぜですか?

岩瀬 自治医科大学のオープンキャンパスに行った時、自治医科大学のミッションに感銘を受けました。そのミッションとは、「医者の行きたがらないような僻地に医者が行って、そこで医療を提供する。地域医療の谷間に火を灯す」というものです。自治医科大学を出て地域医療に関わることで、国内の格差に立ち向かえるようになりたいと思いました。

――他大学と違う特徴などありますか?

岩瀬 自治医大は特に学業が厳しいことで有名な大学です。今回も国家試験合格率が100%になりましたが、実際にそのような結果を出せるように、他の大学よりも約1年早いカリキュラムになっています。そのため、1・2年生の時から9月は夏休みがないなど、授業が詰め込まれています。そういう勉強の厳しさが、どの病院でも自治医大の先生が優秀だと言われる評判につながっているので、頑張らなければいけないなと思います。

思い切って飛び込んだ学生団体

――岩瀬さんはAMSA(アジア医学生連絡協議会)で活動されているんですよね。

岩瀬 大学が栃木にあるので、他の大学との交流もあまりない環境です。この大学の1学年は100人と少なく、皆と仲良くなるのですごく楽しいのですが、このまま6年間通って、卒業したら2〜3年ですぐに1人診療所に放り込まれるわけです。6年間の在学期間中に地域の患者さんたちと話せる人間になれるのかと、ふと考えた時に危機感を持ったんです。

それで、何か外に出る方法はないのかと考えていたところ、ネットでIFMSA(国際医学生連盟)という団体を見つけました。全く知り合いがいない状態で、イベントに一人で飛び込んだことをきっかけにAMSAという団体にも出会いました。今度は1年生の3月にイベントへ行きました。このイベントは、卒業していく先輩たちが6年間の経験をフィードバックする場だったのですが、その話がとても興味深かったのを憶えています。

7月にはシンガポールで行われたAMSAの国際会議に出ました。アジア中にある26ほどのAMSAの支部から医学生が500人くらい集まったのですが、1週間で海外から来た仲間たちと仲良くなれました。自分は英語ができないのに、たくさん話し掛けてくれて、こちらのつたない英語の話をじっくり聞いてくれたんですよ。これをきっかけに、「勉強しよう」「英語を頑張ろう」「自分の国の医療問題をもっと知らなきゃ」と考えるようにもなりました。今は、人とのつながりを大事にするAMSAを中心に活動しています。

――将来はどんな医者になりたいですか?

岩瀬 まずは臨床をしっかり経験したいです。僕はネパールなどの海外の僻地医療を見たことがあるのですが、海外の医療現場は過酷だと感じました。国家間の格差なくなるようにしていきたいですね。

――将来は海外で働くことも視野に入れていますか?

岩瀬 そうですね。海外であっても、医療の谷間に火を灯せるような医者になりたいと思っています。でも、貧しい国で苦しんでいる目の前の患者さんを治していても、目の前のことしか解消しないんですよね。もっと上流で起こっている問題、貧困や紛争などを解決しないとどうしようもないんです。ただ、自分は現場で活躍したいのか、もっと上流の医療政策や国際問題でアプローチしたいのか、どちらが自分に向いているのかはまだ分かりません。

学生のうちに途上国の医療の現状をもっと見たり、世界の医療政策を知るためにWHOなどの世界の医療機関の中での仕事を見てみたりしたいと思います。カリキュラムが厳しい大学なので全部できるのかは分からないのですが、合間を縫っていつやろうかを今考えているところです。

ドクターズプラザ2017年7月号掲載

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