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人間的な成長で「人」を診られる医師を目指す

安藤 康太 さん

IFMSA-Japan

福井大学医学部医学科3年生

医療系学生インタビュー(46)

子どもを通して想いがつながる医療へ

―医師を目指したきっかけは何ですか?

安藤 自分は神戸市出身で、阪神淡路大震災の震災教育を受けて育ってきました。そんな中、東日本大震災を目の当たりにし、本当に自分にできることは何だろうと考えたときに、最終的に人の命に関わる仕事をしたいと思ったのがきっかけです。両親は医師、母方の祖父母も医師という家庭だったのですが、将来について親は「医師にならなくても、人の役に立つ仕事なら何でもいいよ。自分で決めなさい」と言ってくれていました。医師になると言ったときも本当にそれでいいのかと聞かれましたね。弁護士や消防士など別の職業を目指した時期もありましたが、小学校4年生くらいのころには医療の道を意識し始めたと思います。その後中学2年生の時に東日本大震災があり、それを見て医師になろうと決めました。

―ボランティア活動をしているとのことですが、どんな活動ですか?

安藤 昨年マスクが全国的に品薄になったときには、同じ大学の学生と協力し、使わないマスクを募って保育園などの施設に寄付するという活動をしていました。かなり集めて送りましたね。
また、現在は小中高生に無料で勉強を教えるボランティアを週に1回行っています。年の離れた弟2人とずっと一緒に過ごしていたこともあり、子どもと関わるのは好きです。

―将来どのような医師になりたいですか?

安藤 病気を相手にするのはもちろんですが、患者さんのバックグラウンドをくみ取れる、「人」をきちんと診られるお医者さんになりたいと思っています。僕は子供のころに何度かけがや病気で入院をしたことがあって、そのときにコメディカルの方、看護師さんやお医者さんとお話しさせていただきながら感じたことです。まだいろいろな診療科を考えて右往左往してはいますが、今は産婦人科や小児科に関心があります。産婦人科は唯一、入院している方に「おめでとうございます」といえる科だといわれますが、それはとてもすごいことだと思います。小児科を意識しているのは、子どもが好きということと、4歳のときに髄膜炎で入院をしたという経験の影響です。もちろん治らない子どももいるので精神的につらい部分もあるという話はよく耳にしますが、治ったあと僕のように医師を目指す子が出てくれたら、想いがつながるようで嬉しいと思います。

勉強以外の取り組みで「人間としての偏差値」アップを

―医療系学生団体IFMSA-Japanに所属しているとのことですが、入ったきっかけは何ですか?

安藤 たまたま誘われて、北陸地域のIFMSA-Japan(以下、I- J)の新歓に行ったのがきっかけです。福井大学は学校自体がそれほど大きくない上に医学科だけ独立してしまっているので、外とのつながりもほしいなと思って参加しました。自分にとってI- Jを通して得た出会いは大きな財産です。普通に学校に通っているだけでは絶対に交流できないような他地域の学生や、この先大人になってからも話を聞きたいと思う先輩と知り合えたということはかけがえのない宝だと思います。今後は組織の認知度を上げる活動にも取り組み、仲間を増やしていきたいです。

―今までの人生で影響を受けた人物や言葉はありますか?

安藤 恩師と呼べる人は何人もいて、母もその1人です。ただ本当に人に恵まれて育ってきたので、家族以外でも3人、人生において大事なことを教えてくださった方がいます。まず挙げられるのが小学校のときの少年野球の監督と柔道の先生です。お二人ともよく叱るのでものすごく怖かったのですが、その怒り方が愛情深くて。愛情があるかどうかが、相手に物事が伝わるかどうかを決めるのだということを教えられました。

もう1人は高校の先生で、第二のお母さんのような人です。忘れないようにしようと思っているのは、その先生が掛けてくださった「君たちは偏差値という言葉に影響されると思うけれど、人間としての偏差値がもしあるとしたらそれも高い人間でいてほしい」という言葉です。自分が、勉強だけでなく人間的な成長もし続けたいという気持ちになったひと言でした。

―医学部に通う後輩たちにアドバイスをお願いします。

安藤 アドバイスというほどではなく個人的に意識していることなのですが、学生のうちに勉強以外のこともぜひやってほしいです。勉強は、どうせ試験がやってきてしなければいけない状況になりますから(笑)。例えばアルバイトでいうと、医学部生だと家庭教師や塾講師をする人が多いのですが、僕は学生のうちだからこそできることをと思い飲食店を選びました。今はイタリア料理店のホールで働いています。部活動も、I-Jやボランティアも、仲間もいて時間もある学生であることを生かして取り組んでいる活動です。

医師は一生勉強といわれますが、その傍らで趣味など医療以外に楽しみを見つけている先生が多い印象があるので、そういうきっかけを学生のうちに見つけておいた方が良いかなと。視野を広げることが人間性の成長につながると思います。

ドクターズプラザ2021年5月号掲載

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