Vol.141 2017年9月号

日本語は面白い

江畑 哲男

(一社)全日本川柳協会理事、獨協大学オープンカレッジ講師

おもしろ日本語の発見7

日本語って、語順に柔軟性があるのです。
例えば、「花子はコンビニでスイーツを買った」。
この文は、以下数通りに言い替えることが可能です。
A コンビニで花子はスイーツを買った。
B コンビニでスイーツを花子は買った。
C スイーツを花子はコンビニで買った。
D スイーツをコンビニで花子は買った。
E 花子はスイーツをコンビニで買った。

ニュアンスの違いこそあれ、文の基本情報は変わりません。英語や中国語では上のような芸当はできま
せん。どうしてでしょうか?
そうです。日本語の助詞の働き。そのお蔭なのです。このあたりのことは、拙著『よい句をつくるための川柳文法力』(新葉館出版、1600円+税)で解説させていただきました。機会がありましたら、ご覧ください。

ご投句の中にも、
「まだらぼけ将棋の趣味に切り替える」(南雅子)がありました。目の付け所は結構です。
そこで、この句の語順を直します。
「まだらぼけ趣味を将棋に切り替える」と、語順と助詞を直して、入選とさせていただきましょう。

もう一句。
「体重が仕分けしている健康度」(牛美)。
これでも悪くはありませんが、受け身形にするともっと良くなりますね。
「体重に仕分けをされる健康度」。受け身形の効果です。如何でしょうか。

では、皆さんの作品から。今回は投句者が少し減りました。50人ほどでした。猛暑のせいでしょうか? それでも内容的には激戦の様相でした。

▷健康の本ならたんと読みました(高木健次)
▷いつの間に菜食系の僕に成り(ケンケン)
▷歩き癖ついて直った忘れ癖(ばってん爺)
▷昼寝して不眠解消夜元気  (名倉善雲)
▷痛いって聞くと自分も痛くなる (櫻崎)
▷都合よく聞こえなくなる遠い耳(はじめ)
▷イケメンのドクターに会い若返る(よしよし)
▷認めない鏡に映ったその姿(杉井真由美)
▷良い睡眠夢であなたと会いたいな(流)
▷ヨーグルト万能薬と思い込み(シルクハット)

 

Vol.141
ベスト作品

  • 陽射しから

    身を守るため

    武装する

    石川恵里香

  • 秋バテで

    今年の暑さ

    よくわかり

    さふらん

  • 健康に

    良いが食欲

    出ぬレシピ

    柴田睦郎