Vol.121 2014年5月号

川柳の発想法

江畑 哲男

(社)全日本川柳協会常任幹事、早稲田大学オープンカレッジ講師

ユニークな発想を

はじめに

新しい年度になりました。話題もサブタイトルも組版もリニューアルしてみました。

さて、川柳創作の上で大切なのは発想と表現の二つです。この二つの大切さは以前にもお話ししました。表現力や技巧をバージョンアップすることもさることながら、それ以前の発想力をまずは磨いていきたいものです。

「氷がとけたら何になる?」

これは有名なお話なのですが、ユニークな発想なのでご紹介しましょう。

信州のある小学校での出来事でした。理科の時間に行われたテスト問題の一つに、「氷が溶けたら何になる?」があったそうです。小学校の教室から見えたものは、一面の雪景色。信州の長い長い冬が続いているその最中に、理科のテストは行われたのです。

「氷が溶けたら何になる?」、もちろん正解は「水」です。しかしながら、ある女子児童の解答に先生の手は止まりました。ナント解答欄には、「春になる!」と書かれてあったそうです。
「氷がとけたら何になる?」という問いに対して、「春が来る!」とその女の子は直感したのでしょうか。いやはやジュニアならではのユニークな発想ですね。

皆さんもそんな経験はありませんか? 子育ての最中やお孫さんのお守りなどの際に、大人では思いつかない疑問をぶつけられて困ったという経験が。そう言えば、ラジオ番組に「子ども電話相談室」がありました。あれは生放送だったそうで、子どもたちの奇想天外な質問にスタッフが立ち往生したこともずいぶんあったようでした。

川柳では、そんな日常生活の新鮮な発見やちょっとしたオドロキがテーマになることが多いのです。よ〜く目を見開いてみれば、世の中「おや?」と思うことが少なくありません。

さてさて、春真っ盛りです。良い季節になりました。家に引きこもってばかりいないで、外に出て心身をリフレッシュさせましょう。きっときっと面白い出来事にめぐりあうことでしょう。
入選句まであと一歩の作品。ガンバレ!

▷豊作であちこち配る旬野菜(レモンちゃん)
▷受験生みたいに検査の結果待つ(川崎徹)
▷ご自慢はまだまだ飲める薬五種(山秀雄)
▷健康に迫るサプリのコマーシャル(一湖)

Vol.121
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