2023

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魅地探索 大分県九重町

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由布院温泉などの有名温泉地を擁する大分県。その中西部に位置する九重町もまた、知る人ぞ知る温泉郷として毎年多くの観光客が訪れる。 標高1,700m級の山々がそびえており、阿蘇くじゅう国立公園に指定される景勝地。夏場は陸上やラグビーなどの合宿地として、冬場は九州エリア有数のスキーリゾートとしても知られる。九重町の豊かな自然を象徴する雄大な渓谷・九酔渓には、2006年に「九重“夢”大吊橋」が開通。その絶景を体感するために、海外からも多くの観光客が訪れる。

“夢”の大吊橋からの絶景パノラマ

大自然を満喫する豊富な観光スポット

九重町は、町内にJR久大本線と大分自動車道が通り、大分空港や福岡空港からのアクセスにも優れた人気観光地だ。由布院温泉のある由布市に隣接し別府温泉にも近いことから、これらの温泉地に向かう観光客の経由地として知られるが、実は九重町内にも筋湯温泉や九酔渓温泉といった多くの温泉が点在している。大分県内でもトップクラスの湯量を誇り、それぞれに異なる泉質を持つことから、九重町内の温泉めぐりを楽しむ“通”な観光客も多い。

筋湯温泉 うたせ湯(写真提供;九重町)

町の全域がくじゅう連山に含まれる山地であり、起伏に富んだ豊かな大自然が町の観光資源となっている。町内の主な観光地は、町北西部の宝泉寺・龍門エリア、中央部の筌の口・九酔渓エリア、南西部の筋湯・湯坪エリア、南東部の飯田高原・長者原エリアの4エリアに分けられ、それぞれに魅力を持っている。なかでも、筌の口・九酔渓エリアにある高低差200mの渓谷・九酔渓は、九重町の観光資源の魅力を象徴するスポットだ。2006年には、町民の長年の夢を具現化した九重“夢”大吊橋が開通。高さ173mは日本一、総延長390mも日本で2番目の規模を誇り、橋の上から見る大自然のパノラマはまさに絶景。開通後の1年で200万人もの観光客がつめかけ、その後も毎年30万~50万人の方が訪れる人気スポットとなっている。

九重“夢”大吊橋(写真提供;九重町)

町内には九州最大のスキー場もあり、近県の人たちにとってウインタースポーツのメッカにもなっている。夏場には各種スポーツ競技団体の合宿地として賑わうなど、近年はスポーツツーリズムにも注力している。

各種アクティビティやイベントを充実させ、九重町の魅力を広く発信したい

九重町役場
商工観光・自然環境課
観光グループ 主査
帆足一悦氏

九重町の主な産業は、農林業、畜産業、そして観光業です。標高が高くて気温差が大きいので、農作物の味がよく、特にしいたけやネギ、トマトなどが有名です。全国的に知られるおおいた和牛のほか、ブランド豚の九重夢ポークの産地としても積極的にPRしています。

しかしなんといっても、九重町の最大の魅力は起伏に富んだ豊かな大自然で、コロナ以前は年間300万人の観光客が訪れていました。国内では由布院温泉や別府温泉ほど有名ではないので、関東や関西といった遠方からの来訪は限られますが、逆に中国や韓国、台湾、香港といったアジア圏からの外国人観光客が多数訪れていました。コロナの影響でその数は大幅に減少しましたが、昨年から  国内の移動制限や海外からの入国制限が徐々に緩和されているので、早期に観光客が戻ることを期待しています。

外国人観光客への応対に関しては、言葉の違いが障壁になりますが、観光パンフレットや街中の各種案内表示などを多言語表示に切り替える作業を順次進めており、コロナ以前にも増して外国人観光客の受け入れ態勢を整備しています。

その一方で、冬場のスキー、夏場の各種スポーツ合宿に代表されるスポーツツーリズムにも今後は注力していきたいと考えています。天然の観光資源はもちろん、各種アクティビティやイベントなど年間を通して楽しめるコンテンツを充実させ、より多くの人に九重町の魅力を知っていただきたいと考えています。

九重町にあるスキー場(写真提供;九重町)

九重町の概要

人口/8,774人(男性4,234人、女性4,540人)
世帯数/3,899世帯
※令和4年10月31日現在

九重町は、大分県の南西部に位置しており、東は由布市、竹田市に、北西は玖珠町に、南西は熊本県阿蘇郡に接しています。
町の中央部を筑後川上流玖珠川が東西に走り、西側に田畑、山林等が開け、東南の方には久住山、大船山、三俣山等10有余の標高800mから1,764mに達する九州の屋根というべき名峰連なる九重山群に囲まれています。

九重町への交通アクセス

(九重町ウェブサイトより)

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