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さまざまな課題を健康な生活に向けて還元したい

杉田 明穂 さん

千葉大学 医学部医学科

医療系学生インタビュー(20)

医学生でありながら気象予報士の資格を取得

――医者を目指そうと思ったきっかけは何でしょうか?

杉田 もともとは文系が得意だったのですが、高校一年生の春に東日本大震災があり、有事の際に行動を起こすことができるのは医師だなと考えて、医学部に志望を変更しました。また、その年の春にシンガポールへ短期留学に行った時、「あなたは将来何をしたいの?」と聞かれて、世界に通用する専門能力を身に付けたいと考えるようになったことも大きいです。

――気象予報士の資格も取られたそうですが、なぜですか?

杉田 空を眺めるのが趣味で、中学生のころには、1年間雲の観察日記を付けていたほどです。それで気象予報士試験の勉強を大学2年生から始め、3年生の夏から集中して勉強し、3年生の3月に合格しました。

――気象予報士の資格を仕事に生かすつもりはありますか?

杉田 もともとは「好きだから」ということで勉強していましたが、気象の勉強をしていく中で気象と健康を絡めた「生気象学」という分野のニーズが大きいことが分かり、役に立てるのだったら勉強する価値がありそうだと思うようになりました。いずれは、気象のデータと健康との関係を自分の力で分析して、世の中に役立てることができたらいいなと思っています。

学業、部活、医学英語の勉強と多忙な毎日

――学生生活はどんな感じなのでしょうか。

杉田 4年生の12月までが座学で、4年生になると毎週必ず試験があって、特に忙しい学年です。そして、部活は水泳部なのですが、4年生は幹部学年なので、部活でも大会に向けて練習を重ねなければいけません。それに加えて、自主的に医学英語の勉強もしています。3年生の春から週に1回、大学の友人たちとUSMLEというアメリカの医師国家試験の中で、STEP1という日本の国家試験に近いものの問題文をみんなで翻訳し、関連する文献を探してプレゼンするという勉強会もやっています。

――普段のスケジュールはどんな感じなのでしょうか。

杉田 ほぼ毎日17時ごろまでありますね。その後に火・木・土曜日は部活があります。幹部学年は週に1〜2回は絶対に顔を出して、月に1回程大会に出なければいけません。しかも、私は実家から2時間かけて大学に通っているので、毎日がすごくハードで、睡眠時間が確保できない日も多いです。部活は大学近辺の一人暮らしの人のスケジュールが基準になっているので、一度帰宅することを前提にミーティングの開始時間も遅いです。それまでの間、帰宅できない私はカフェなどで過ごさなければならないのが不便ですね。

情熱を注げる分野を模索中

――これまでに印象に残った言葉や出会いはありますか?

杉田 特に印象に残った言葉は三つあります。まずは、高校生の時に読んだメルマガにあった、ソフトバンクの孫正義社長の言葉で、「人生は山登りのようなものだ。登るべき山は早いうちに決めた方がいい」というものです。それにものすごく感銘を受けて、登るべき山は決めておきたいとずっと思っています。

二つ目は、教科書に掲載されていた、スティーブ・ジョブズ氏の言葉です。「コネクティング・ザ・ドッツ(点と点をつなげる)」というタイトルの文章で、「自分の人生は順風満帆だったわけではなく、カリグラフィーのクラスなどもいろいろ聴講した結果、それが最終的にアップル社の製品に生きた。だから人生ではバラバラの点のように見えても後からつなげられることがあるよ」といった内容が書かれていました。今、私はさまざまな分野に点を打っている状態ですが、それらがいつかつながってくれたらいいなあと思っています。だから、今自分がやっていることは無駄ではないかと自信がなくなった時には、その言葉を思い出すようにしています。

三つ目は、千葉大学のWHO本部視察プログラムに3年生の時に参加して、スイスのジュネーブに行った時、環境生命医学教室の森千里教授がお話しされていた「自分のミッションみたいなものが、ちゃんと決められたら、あとはそれに対するパッションがあれば何かを成し遂げられる」という言葉です。森教授や他に活躍されている先輩医師の姿を見て、自分の信念があることは大事だと思いましたし、そのためには学生のうちから実際に現場に出てみないとミッションは分からないと思いました。

――将来はどんな医師になりたいですか?

杉田 私は研究や臨床などの現場で、自分で見つけた課題に取り組み、その成果を人々の生活に還元できるフィジシャンサイエンティストを目指したいと思っています。興味があるのは、今まで勉強してきた内科分野の中でも特に循環器内科と腎臓内科です。ただ、自分の最初の動機を考えると、少しでも早く公衆衛生の修士号を取って、自分のやりたいことに対してのバックグラウンドを固めていった方が良いと考えています。

 

ドクターズプラザ2017年11月号

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