Vol.130 2015年11月号

川柳のユーモア

江畑 哲男

(一社)全日本川柳協会常任幹事、早稲田大学オープンカレッジ講師

川柳的発想を活かす

10月1日、文部科学省の外局としてスポーツ庁が発足。その初代長官に、鈴木大地さんが就任しました。鈴木大地さん。ご存知のように、ソウル五輪の競泳男子100メートル背泳ぎの金メダリストです。

鈴木大地さんの記者会見を、たまたまテレビで拝見しました。初代長官としての抱負を述べ、記者の質問にも丁寧に答えていましたね。
その中で、次のフレーズが印象に残りました。
「泳ぎは後ろ向き(背泳ぎ)でしたけど、前向きに頑張る」。ユーモアを交えた、素晴らしい一言です。
ところで、小生。川柳をやっていて良かった、と思うことが幾つもあります。
① 短いフレーズで、モノを言う習慣が身に付いてきたこと。
② 違った角度からの見方も指向するようになったこと。
そして何と言っても、
③ ユーモアの活用です。

鈴木長官の記者会見が、前段のフレーズを抜きにして、もし「前向きに頑張る」だけだったら、どうだったでしょうか? おそらく、こんなに話題になることはなかったと思います。
その点、「泳ぎは後ろ向き(背泳ぎ)でしたけど、……」というフレーズの挿入は、実に効果的でした。この一言が、記者会見を和やかにしてくれたのです。
若くて爽やかなスポーツ庁初代長官・鈴木大地さん。その笑顔がいっそう輝いて見えたのは、小生ばかりではないと信じます。

▷血圧を上げて微笑む美人女医 (万歩計)
▷肥満ですわかってますよそんなこと(竹子デラックス)
▷日常をメンテしたくて旅に出る(つぼさんご)
▷恰幅が良いとメタボをおだて上げ(紫蘭)
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Vol.130
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