2022/04/10

一人暮らしのアスリートにおすすめの食材

アスリートは活動レベルが高く、必要な栄養摂取量も多いため、アスリートやサポートする保護者さまにとって、何を食べるか、食べさせるかが悩みの一つです。特に、大学生以上になると1人暮らしをする選手も増え、食事への興味や関心、技術も個々人で異なるため、手の込んだ料理は難しいのが現状です。とはいえ、カラダを育て、ココロを支える食事を摂取することが非常に大切。どんな栄養素、食材を取ったら良いのかをレシピ付きでご紹介いたします。

食事・栄養面の課題を改善するときに重要になる項目は以下の2点です。

(1)食事を準備するのが誰か

(2)その食事を変えることが可能か

これによって、食事改善に関する情報を誰に共有し、実践に向けて取り組むかが変わります。

◇タンパク質、鉄、カルシウム、ビタミンC、食物繊維の摂取がカギ!

今回は不足する栄養を食事で改善するためのポイントとして、特に、寮や1人暮らしのため、自分で対策しなければならない選手にすすめる「6つの食材」をご紹介します。不足傾向が高い栄養素は「タンパク質」「鉄」「カルシウム」「ビタミンC」「食物繊維」です。これらを手軽に摂れる食材を、日頃の食事に摂り入れてください。

■1、卵

タンパク質を手軽に取れます。まとめてゆでておき、不足しやすい朝食や補食としてタンパク質を追加したいときにプラスできます。少量ではありますが、鉄やカルシウムも取れます。

■2、納豆

タンパク質はもちろん、鉄やカルシウムも卵同様にとれます。さらに食物繊維も豊富で、発酵食品として菌(納豆菌)も取れるため、腸内環境を整えるための栄養素も豊富です。

■3、サバ缶

魚の摂取は意識しないと少なくなります。そういった時に使えるのが、サバ缶です。魚の油には必須脂肪酸のEPAやDHAを豊富に含みます。また、鉄、カルシウムも豊富に含まれ、さらに、骨を強くするビタミンDなども多いお魚です。缶詰であれば常温保存が効く点もうれしいポイントです。さば缶以外にもイワシや鮭、さんま、ツナなどの缶詰も活用してくださいね。

■4、ブロッコリー(冷凍)

ブロッコリーはおかずに付け合せるだけでビタミンCを摂取することができます。冷凍であれば手に入りやすく、ゆ「でる作業も省くことができ、食事にプラスしやすいのが利点です。食物繊維や抗酸化作用のあるβ-カロテンやスルフォラファンも取れるので疲労回復にもうれしいポイントですね。

■5、小松菜

鉄・カルシウム・ビタミンCが豊富です。味にクセもなく使いやすいので、生鮮食品を保存できる場合は購入しておくと便利です。下ゆでせずに食べることができるので、効果的に栄養素も摂取できることもポイントです! ちぎってレンジでチンしてドレッシングで食べたり、ツナやハム、コーンと一緒に和えたり、刻んでインスタントみそ汁やスープに入れれば調理機器がなくても食べられますし、ビタミンCの損失も少なくできます。

■6、枝豆

枝豆は100g当たり(可食部)11.5 gものたんぱく質が含まれており、野菜の中でも堂々の第1位です。アスリートはもちろん、筋肉量アップを目指す方にも、ぜひオススメします。また食物繊維や鉄分、ビタミンCも多いのが特徴です。たんぱく質とたんぱく質の合成や鉄分の吸収を促進するビタミンCと、両方の栄養素がともに含まれている優秀な食材です。冷凍食品の定番ですので、ぜひご活用ください。

◇1人暮らしの選手におすすめする常備食品の主な栄養素

冷蔵冷凍庫のあるなしや調理場の有無など、一人暮らしや寮生活での環境の違いなどもあるかと思いますが、取り入れられる部分からぜひチャレンジしてみてくださいね。

サバ缶と卵の栄養満点スンドゥブのレシピ

材料(2 人分)

さばみそ煮缶……1 缶(150g)
ぶなしめじ……1/2 袋(50g)
長ねぎ……1/2 本(50g)
ニラ……2本(25g)
枝豆……20~30 粒(25g)
絹ごし豆腐……1/3 丁(100g)
木綿豆腐だとたんぱく質量アップ
キムチ……お好み(50g)
卵……1 個(50g)

A
ぬるま湯……200ml
鶏がらスープの素……1/2(1.5g)

作り方

1.ぶなしめじはほぐし、長ねぎは斜め切りにする。ニラは3cm長さに切り、豆腐は4等分にする。
2.ボウルに、Aのぬるま湯と鶏がらスープの素、「さばみそ煮缶」の汁を入れてよく混ぜておく。
3.鍋に長ねぎ・ぶなしめじ・絹ごし豆腐・さばの身・キムチを入れ、2のスープをそそぎ、全体が煮えたら、ニラ、枝豆、卵を落とし、お好みの半熟で火を止めて出来上がり。

<料理のポイント>

新鮮なさばを丸ごと使用しているさば缶。おいしい上に、良質なたんぱく質、脂質、ビタミン、カルシウムなどのミネラルも丸ごと摂取することができます。豆腐、卵を入れることでバランス良くいろいろなたんぱく質も摂取できる一品です。さらに、きのこ類は食物繊維やカリウム、ビタミンB群、ニラに含まれるアリシンはビタミンB2の働きを助け、疲労回復に役立ちます。また枝豆は植物性のたんぱく質とともに、たんぱく質の吸収を助けるビタミンCや鉄分も含まれています。キムチを使うことで食欲増進につながり、糖質をしっかりと摂取したいアスリートにとっての良いおかずとなります。

栄養価(1人分)
エネルギー 520kcal たんぱく質 40.8g 脂質 28.2g 炭水化物 21.7g ビタミンA 257μ gRE 食物繊維 6.7g 食塩相当量 3.2g

 

レシピ考案:ヘルシーフードラボ代表 管理栄養士 梅田やすこ

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