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おいしく減塩で高血圧を予防しよう

ことわざには健康の秘訣が隠れている!?

昔から語り継がれる食のことわざには健康長寿の秘訣が隠されています。例えば、冬においしい大根が登場する「大根おろしに医者いらず」。大根は94.6%が水分でビタミンCに富み、消化を助けるでんぷん分解酵素ジアスターゼを含んでいるので、胃もたれ、腹もたれを防いでくれます。「淡きを食らい薄きを着る」は、味の淡白なものを食べて塩分を取り過ぎないようにし、普段から薄着の習慣を付けることで寒さへの抵抗力を付けること。そして「味は塩にあり」。塩は薄過ぎても、濃過ぎてもおいしさからかけ離れてしまい、絶妙な塩加減が味を決めることを意味しています。

4000 万人もいるといわれる高血圧予備軍

塩は生命を維持するために欠かせないものであり、体内の水分量を調節し、筋肉の運動に関与し、神経細胞の情報伝達を担う役割があります。普段の食事をしていれば、塩が足りなくなることはあまりありませんが、現代の食生活においては、濃い味に慣れてしまったり、外食が多くなったりすることなどで、いつの間にか塩を取り過ぎている傾向があります。
現在、日本人の死因の6割を占めるのが悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患の三大疾患。これらはいずれも食事を含めた生活習慣との関わりが深く、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満などが原因となっています。日本人は昔から血圧が高い人が多く、高血圧は患者数が最も多い病気です。平成29年国民健康栄養調査によると高血圧予備軍は約4000 万人いると推測され、平成29年の患者調査では約990 万人が高血圧で診察を受けています。高血圧を放置すると動脈が硬化し、血管はもろくなり、心臓に負担がかかります。気付かないうちに狭心症や心筋梗塞、脳卒中や脳梗塞にまで進んでしまうこともあります。
高血圧を予防する食事というとすぐに「減塩」と考える方が多いと思います。70年前、日本人一人当たりの平均食塩摂取量は15gと高い数値でしたが、現在は10g までに減り、それにともなって高血圧の発症率も下がってきています。食事指導において一般的には1日の食塩摂取基準値は男性8g未満、女性7g未満を目標としていますが、高血圧と診断されている方は1日6g未満が推奨されています。

減塩のヒント

減塩を実行すると最初は慣れない味に戸惑いますが、だしを利かせたり、酢や柑橘系の酸味、スパイス、ハーブなどを取り入れることでおいしさを損なわずに食べられます。肉や魚などを焼いて食べる時は下味などを付けないで、食べる時に表面にほんの少しの塩を振ることで、塩気を感じながら食べることができます。減塩は少しづつ、時間をかけながら、慣れていくのが良いでしょう。
減塩効果をさらに上げるためには、野菜を多く摂取することも大切です。野菜やいも類にはカリウムや食物繊維が多く、カリウムは体にある余分なナトリウムを排出する働きを持っています。多くの野菜はゆでるとカリウムやビタミンCなどが流出して減ってしまうので、煮て調理する時は煮汁も一緒に食べるようにすると良いでしょう。また、果物もカリウムが多く、生ですぐに食べられるのでお勧めですが、果糖も多く含まれるので食べ過ぎには注意しましょう。青背魚のさば、いわし、さんまやぶりなどは良質なたんぱく源であり、DHAやEPAの栄養素が入り、動脈硬化や血栓を防ぐ働きがあります。
肥満も高血圧のリスクを高める原因となりますので過食を防ぎ、腹八分目を心掛けて食べるようにしましょう。そして、節酒、禁煙、運動、休養などにも普段から気を付けることで、生活習慣を改善するようにしましょう。

 

有限会社あいね 代表取締役
管理栄養士・食育料理研究家
相澤 菜穂子

 

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