2019

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~薬の副作用~薬は正しく服用しましょう

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小黒 佳世子
『薬剤師のお仕事』『小黒先生の薬の話Q&A』連載
株式会社メディカル・プロフィックス取締役、株式会社ファーマ・プラス取締役、一般社団法人保険薬局経営者連合会 副会長

ドクターズプラザ2012年10月号掲載

小黒先生の薬の話Q&A(7)

Q1)薬の副作用にはどんなものがありますか?

A1

医師が薬を処方するときや薬局で薬剤師が薬を選ぶ時に、その目的となる薬の効果が主作用です。その反対語となる「副作用」とは、つまり目的としている作用以外の薬に対する反応ということになり、薬によって起こる有害な症状で、医薬品と有害事象に因果関係があるものをいいます。ですから、副作用のない薬剤は無いといっても良いでしょう。

副作用には、風邪薬を服用して眠くなったというような軽い症状から生死に関わるものまで、さまざまなレベルのものがあります。緊急を要するような重い副作用でも、その前兆として軽い症状が現れることが多いので、この初期症状を薬剤師から聞いて早く発見することが重要です。副作用は薬を服用してすぐの60分~2日以内に出てくるものが多く、全体の6割から7割を占めますが、長期服用していて出てくるものもあります。自覚症状が少なく、血液検査で発見される場合もあります。

薬の副作用は予測するのが難しく、早期発見がとても大切です。気になる症状があったらすぐに医師や薬剤師に相談してください。また、どのような薬で副作用を起こしたことがあるかは、副作用を予測する上でも重要な情報です。薬剤名はもちろん、時期や症状、対処方法など、副作用が起きた時の状態も併せて忘れないようにお薬手帳に記録し、診察を受ける時や薬をもらうときには必ず伝えてください。また、一般用医薬品を購入するときにも薬局の薬剤師に相談するようにしてください。副作用をむやみに心配し、必要な薬を飲まないと、病気が悪化したり治療が長引く原因にもなることもあります。薬は正しく使えば、副作用が現れる確率は低くなります。

Q2)一度副作用の出た薬は、もう服用できませんか?

A2

薬の副作用は、そのときの体調によってもその重症度が異なってきます。疲労などにより一時的に肝臓の機能が低下しているときなどは副作用の起こりやすい状態といえるでしょう。ですから、状態の良い時には副作用は起こらない場合もありますが、原則的には避けた方が良いでしょう。また、薬は異なっても同じ系統の薬剤で副作用が出ることもありますので注意してください。

Q3)副作用が起きやすい体質というのはありますか?

A3

副作用は必ず起こるものではありません。また、その重症度は薬を服用する人によって異なります。患者様それぞれの体の状態が関係しているためです。薬は体内に吸収された後、肝臓で分解(代謝)され、大半は腎臓から排泄されます。薬によっては代謝の後そのまま胆汁に排泄されるものもありますが、肝臓や腎臓に病気のある方や、高齢者は副作用を起こしやすくなります。また、アレルギー体質の人にも注意が必要です。

 

 

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