玉井 公康 さん

旭川医科大学医学部3年

2019/01/08

予防医療にフォーカスし町づくりを伴った医療の道を見出したい

  • IFMSA

医療系学生インタビュー(31)

他学部の学生とも交流し閉鎖的なコミュニティーを変える

―医者になろうと思ったのはなぜですか?

玉井 父親が医者ということもあり、小さな頃から「医者になりなさい」と言われていました。そんなこともあり漠然と医者になるのかなと思っていましたが、僕が中学3年生の時、身内が病気になりました。その時に僕は長男ですし、自然と、「自分が支える存在なんだ」、「僕がしっかりしなくては」と思いました。それで医者になろうと思いました。

―今は、どのような生活を送っていますか?

玉井 朝から夕方まで授業があり、その他に、IFMSAというサークルに所属して、活動をしています。ただ、定期的な活動があるわけではないので、その他の時間はダンス部で踊っています。

―IFMSAに入ろうと思ったのは? また、どんな活動をしていますか。

玉井 1年生の時に出会った5年生の先輩から、IFMSAについてすごく熱い話をしていただいたんです。試しに見学してみようくらいの気持ちで行ったんですが、想像以上の熱いものが返ってきて、入ろうと決めました。現在、IFMSA旭川支部の代表をしています。IFMSAでは毎年メインのイベントを東京で開催していますが、北海道からは参加しにくいんです。でも北海道のメンバーって結構いるので、北海道でもイベントをやろうという話になり、昨年、「北海道メディカルフェス」を初めて開催しました。今後も続けて開催したいですし、医療系の学生だけでなく違う分野の学生とも交流したいと思っています。

―そう思ったのは、なぜでしょうか?

玉井 「北海道の楽しい学生100人」というイベントに参加したのですが、医療系の学生は全くいなかったんです。でも、凄く勉強になりました。そして面白かったんです。医療のコミュニティーってどうしても閉鎖的になってしまうと思うんですね。日本で医療を勉強しようと思うと、基本的に医学部か看護学部に進んで、医者になるか看護師になるか。他国に比べると、他職種との連携などがすごく遅れをとっているように思います。

―IFMSAでの活動や留学など、幅広く活動をされていますが、今までに影響を受けた方はいますか?

玉井 大学の先輩方に強い影響を受けました。大学に入った時は、特にやりたいことが見つかっていませんでしたが、IFMSAの先輩方は自分のやりたいことを見つけて活動していました。好きなことをやる、というのを半信半疑で捉えていた私にとって、こんな大きな影響はありませんでした。

町全体で予防医療を掲げ、高齢者向けのまちづくりを

―将来はどのような医者になりたいですか?

玉井 まだ決めていませんが、予防にフォーカスした医療に携わっていきたいと思います。日本は医療費をなるべく削減しないといけないと思うんです。学生の考えではありますが、医療費が負担になっていると思うので、少しでも負担を軽減するために、医療費を減らす努力が必要だと思います。そのためには予防医療に力を入れる必要があるのではないでしょうか。病気になる人を減らすことができ、医療費も減らすことができる。予防医療は、これからの日本にもっと必要な医療だと感じますね。

―予防医療には、具体的にどのように携わりたいですか?

玉井 予防医療には一次、二次、三次と段階がありますが、僕はもっと大きなスケールで携わりたいです。例えば町全体で予防医療を掲げることで新たな雇用の場も作れるし医療費も削減できます。もちろん医者として病院でワクチンを打つことも予防医療ですが、それは医療行為の範囲だけ。というよりは、健康運動や町づくりを含め、行政を絡めた予防医療ということを考えていきたいです。北海道は土地が広く自然が豊かですし、空気も食べ物もおいしい。老後をゆっくり暮らしたい人に向け
て町をつくり、中心に病院を建てて施設を隣接させる。そうすれば何かあった時に病院に行きやすいですし、こういう高齢者向けの町づくりがあっても良いかなと思います。

―医学生の後輩に向けてメッセージをお願いします。

玉井 外の世界に目を向けること、また他大学との交流が深い学生団体に入ることも大切だと伝えたいです。将来医者になって診察をした時、患者さんのバックグラウンドを引き出す必要があります。そのためには教養というか、あらゆる知識を持っている人間にならないといけない。でも医者同士で固まってしまうと、医者の世界しか見えてきません。違う学部、違う国の人と触れ合った方がいいと思います。僕は、昨年イギリス留学に行ったのですが、本当に価値観が変わりました。今の枠組みから出ていくというのは、とても大事なことだと思います。

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