小林達平 さん

SOLA学園・救急救命学科3年

2024/11/01

経験を下の世代へ。 人材育成が得意な救急救命士を目指す

医療系学生インタビュー(67)

人命に最初に関われる仕事へ

――救急救命士を目指したきっかけを教えてください。

小林 僕は人一倍、正義感や責任感が強い性格で、将来は人のためになる仕事に就きたいと考えていました。救命士という仕事を意識するようになったのは、高校1年生の頃、アルバイト先の前で交通事故が起きたことがきっかけです。救急隊の方が活動をしている様子を見て、一番先に人命に関われる仕事、そして、一人でも多くの命を救える仕事をしたいと考えるようになりました。それまでは警察官か、車が好きなので自動車整備士になりたいと考えていて、高校は工業高校へ通っていました。

――SOLA学園を選んだ理由はなんですか?

小林 救命士の専門学校には、2年制の学校と3年制の学校があります。SOLA学園は3年制で実習時間が1,000時間あり、他の学校に比べて多いことから、より実践につなげられそうだと思って志望しました。もう一つ特徴があって、海上保安庁の空母を見学する授業があるんです。地元・大阪から沖縄への進学ということで、初めは少し親の反対もありましたが、ここなら自分の将来の幅を広げられそうだなと感じ、一緒にオープンキャンパスに来てもらって親からも理解を得ました。

SOLA学園は県内から進学してきた学生が多く、沖縄での初めての一人暮らしは、慣れるまで大変でした。でも今は、だいぶ慣れてきて、卒業後は内地で経験を積んでからいつか沖縄に戻って来られたらいいなと思っています。

他職種と交流し現場での連携を高める

――課外活動などは、どんなことをされていますか?

小林 2年生の時から、ホテルのプールでライフガードのアルバイトをしています。水泳が得意というわけではないのですが、将来に生かせるアルバイトをしたいと思って選びました。他には、学生救急救命技術選手権という大会へ出場するためのサークル活動へ参加しています。

また、1年生の頃から「医療人@沖縄」という学生団体の運営に携わってきました。さまざまな医療職同士でのコミュニケーションを高めることを目的にしていて、勉強会を開催したり「メディカルビーパ」という医療学生の交流会を開催したりしています。いつか現場へ出た時に、「お互いが求めていることを、聞かずともある程度は動けるようになろう」という考え方を大切にしていて、勉強会をはじめ他の医療職と関わるということを、学生のうちからしていきたいと活動してきました。この活動が少しでも広がっていけばいいなと思っています。

――医療はチームでやっていかなくてはいけないことですし、交流は大切ですね。卒業後は、どのような進路を考えていますか?

小林 初めは消防署に就職して救命士として活動する道を目指していたのですが、病理実習や課外活動で他分野の学生と交流していくうちに、病院に就職し救命士として活動したいと考えるようになりました。さまざまな現場に出て、自分が学んだ知識や経験を下の世代へアウトプットしていけるような、人材育成ができる救命士になりたいです。あとはやはり、救える命を確実に救っていくということは一番重要なことだと思うので、一つでも多くの命を自分の手で救えるようになりたいです。将来的には、救命士として現場経験を積んでから、フライトナースになりたいと考えています。

チャンスを掴み、自分を成長させよう

――これまでに影響を受けた人はいますか?

小林 僕には、尊敬する先輩が二人います。一人は、僕が1年生の頃サークルでいろいろ教えてくれた3年生の先輩です。とてもストイックに勉強をされていて知識が豊富な方で、何を質問しても答えてくれるような方でした。その姿を見て、先輩のようにさまざまな知識を持って現場で活動できる救命士になりたいと、強く思うようになりました。

もう一人は、救命士という仕事の重さを意識させてくれた先輩です。「ものすごい世界へ入ってしまったということだけは、忘れないでほしい」と言われたことがあって……。自分の手で人の命を定められてしまうということを、絶対に忘れないで活動するように、いつも肝に銘じています。また、これまで、救急活動のシミュレーションで焦ってしまうことがあったので、何事も冷静沈着にということを心がけています。

――最後に、後輩たちへのアドバイスをお願いします。

小林 救急救命士としてだけでなく、人生において言えることですが、何事もチャンスがあれば、ぜひ掴んでほしいです。自分ができることや興味を持ったことに対して、キャパオーバーにならない範囲で、全てチャレンジしてほしい。僕自身ここまで成長できたのも、いろいろなお誘いやお話をいただいた時に、率先してやってきたことが結果につながっていると実感しています。また、課外活動でも運営責任者を経験したことで、人をまとめることの大変さを学ぶことができました。自分自身を成長させられたのは、まさにいろいろなチャンスを掴んで経験できたからだと思います。

自分の夢や目的を忘れずに努力を厭わず、機会を逃さないでほしいと思います。

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