Vol.143 2018年1月号
改めて、川柳とは?
江畑哲男 さん
(一社)全日本川柳協会理事、獨協大学オープンカレッジ講師
川柳、基本のキ⑵
前号では「川柳の基本のキ」と題し、改めて川柳の基本を解説致しました。「五七五のリズムを大切に」を小見出しに掲げ、川柳を作るのには「発想」と「表現」が大切、と強調させていただきました。
一句一句にコメント
さて、今回の「基本のキ」。
掲載句一句一句にコメントを付けました。掲載句のどこが良かったか? さらに良くするにはどうすれば良いか? そのポイントを一句ずつ簡潔に解説を致しました。ご参考になれば幸いです。
▷この歳で親の痛みが分かってきた(えっちゃん)
→分かる句だが、少々まとも過ぎる点がもう一歩か。
▷歩数計がんばる自分をほめるんだ(わっしー)
→「ほめるんだ」には、もう一工夫欲しい。
▷寝てるのに眠れないの?と気遣われ(クマ)
→ありそうですねぇ、そんな一場面が。
▷おかしいねこの体重計壊れてる(レイチェル)
→「おかしいね」という口語が良かった。
▷痩せなさい言う先生がちょい太め(ポンタロウ)
→「ちょい太め」なる表現が個性的。
▷健診はぼくの体の通信簿 (あひと)
→「通信簿」が比喩になっている。
▷三世帯マラソンするのは祖父と祖母(シスカルメン)
→マラソンをした人の意外性がポイント。
▷飲んじゃだめ!女房より効く孫の声(六甲おろし)
→こちらも意外性。「孫の声」が決め手。
▷腹八分わかっちゃいるけど物足りない(おもちっこ)
→「分かっちゃいるけど」、ナルホド。
▷やめようと思うタバコとにらめっこ(ポッター)
→「にらめっこ」に実感あり。
▷レーシック無事に終わって千里眼(神戸の敏坊)
→「千里眼」の誇張が効いている。
▷ほめことば?あなた見てると眠くなる(近藤千草)
→どことなくユーモアを漂わせる作品だ。
▷健康が邪魔して病気近寄らず (火星人)
→「健康が邪魔して」が、逆転の発想。
▷MRI焼場カプセル体験し (南雅子)
→いやはや、作者のユニークさが光る。
Vol.143の
ベスト作品
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◎トップ賞
鏡餅
肌の老化を
見てるよう
和三盆
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百歳の
秘訣よく噛み
よく忘れ
瀬戸桃子
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長寿より
インスタ映えと
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しげっち