Vol.122 2014年7月号
川柳の発想法 その 2
江畑 哲男 さん
(社)全日本川柳協会常任幹事、早稲田大学オープンカレッジ講師
『ポジティブの教科書』から学ぶ
嬉しいことに投句者が増えました。それも飛躍的に増えたのです。入選へのハードルも高くなった一方、作品のレベルが向上しました。皆さん、頑張りましょう。
発想の転換、その方法
いやぁ、久しぶりに元気の出る本を読みました。
『ポジティブの教科書』(武田双雲著、主婦の友社)がそれです。
冒頭、〈雨が降ったら、「あいにくの雨」と思うか、「恵みの雨」と思うか。人に道を聞かれたら「面倒くさい」と思うか、「役に立ちたい」と思うか。〉という問いかけからこの本は始まっています。
いえいえ、お説教の本ではありません。要は、〈何かに接した時、何を思い、何を感じ、何を信じ、何を与え、何をするか、何をしないか。「ポジティブ」という選択をするための法則をこれからお伝えしていきます。〉という本なのです。
以下、箇条書き風に記します。
〈「日々の小さなことに感動を見いだす練習をすること」。〉
〈「粗探しメガネ」から「感謝メガネ」へ。〉
〈「なぜできない」というよりは、「どうやったらできるようになるんだろう」へ。〉
〈聴き上手になる。潜在意識の声をしっかり聴く。〉
〈先ずは一歩踏み出す。〉
〈成功の反対は失敗ではなく、「何もしないこと」。〉
そして、極めつきが次の言葉!、でした。
〈「毎日楽しめている人は一番強い」。〉
……、いかがでしょうか?
ともかく、「能動的に楽しむ」スキルが満載の本でした。
ちょっとした発想の転換で、人生がこんなにも変わるのです。ある意味、川柳の勉強法との共通点がありました。そう、発想の転換という共通点です。皆さんも、ぜひ一度手に取ってみて下さい。
さて、入選までもう一歩の作品五句です。
▷腹へっためしを食わせと猫が鳴く (のらねこ)
▷ダイエットでも失恋でリバウンド(傘寿郎)
▷骨折し接着剤で治したい(三宅亜紀)
▷飽食を防いでくれた安給与(素乱風)
▷手の平に二合と書いて出る宴(一風)
Vol.122の
ベスト作品
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◎トップ賞
生きている
だけで感謝の
病みあがり
黒木道男
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看護師の
不親切には
愛がある
しむらむし
-
ウォーキング
わずかに痩せる
つつましさ
竹澤聡