Vol.118 2014年1月号

川柳の上達法 その4

江畑 哲男

(社)全日本川柳協会常任幹事、早稲田大学オープンカレッジ講師

推敲ということ

はじめに

川柳上達法の4回目は、推敲について触れます。
自分で自分の作品をより良いものにする、これが推敲です。投稿する前に自身の作品をもう一度見直してみませんか。

推敲のポイント

推敲する際のチェックポイントは、3つあります。
①リズムは整っているか?
川柳は五七五のリズムを基本とする口語定型詩です。初心のうちは、まずこの定型のリズムを身につけるようにしましょう。どうしても定型をはみ出しそうな場合には、上五を字余りにして下さい。上五の字余りはある程度許容されます。反対に、中七・下五については極力そのリズムを守るようにしてください。
② 句意は通じているか?
せっかく創った川柳なのに、読み手に通じないということがままあります。初心者によくありがちなことです。おそらく自分の世界にひたって、それで満足しているからなのでしょう。メールでの投稿などで、作品の背景を熱心に説明してくる方が時々おられますが感心しません。説明しないと分からない作品は、それだけで未熟な、未完成の作品なのだと公言しているようなものです。五七五だけで勝負をしましょう。自己満足に陥らないためには、多角的に見直す作業が求められます。
③ 説明的になってはいないか?
こちらは、上記と逆です。言いたいことは分かるのです。しかしそれだけ終わっちゃっているのです。内容に感動が乏しく、事実を単に説明しただけ。平凡で当たり前の作品は、「説明句」などと言って否定的評価をされています。
以上、江畑哲男流の推敲のポイントでした。
川柳というのは、「入りやすくて奥が深い文芸だ」ということを繰り返し申し上げてきました。

今回も、「句意は通じているか?」と言う一方で、「説明的になってはいないか?」を皆さんに問いかけました。一見矛盾した要求をしているようですが、ここらあたりに川柳の難しさと面白さがあるのだとお考え下さい。
今月も入選一歩手前の作品から。

▷食欲は生きる意欲に比例する (常山奈美)
▷寝かしつけ夜の散歩でダイエット (tan)
▷好奇心目の色さえも変える孫 (白猫)
▷万歩計嘘をついてはなりませぬ (浜ぶどう)

Vol.118
ベスト作品

  • 健康を

    拾って帰る

    散歩道

    働き蜂ちえちゃ ん

  • 健康の

    ためのノルマが

    忙しい

    岡本 恵

  • 何よりも

    妻の笑顔が

    いいサプリ

    一本杉