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転ばぬ先の杖!? 親の介護予防について考える

介護

川内 潤
NPO法人となりのかいご 代表理事 
ウェブサイト限定記事

隣(となり)の介護(6)

年末年始のお休みに郷里へ帰省され、親と久々に一緒の時間を過ごされ方も少なくないのではないでしょうか。そこで、「何だか足元がおぼつかないようだけど、大丈夫かな?」などと、親の将来に不安を感じてしまったら……。あなたは、その“不安”を親へどのように伝え、介護予防も含めて今後のことについて、どのような対応を取りますか。

“老い”や“介護”というワードが入った質問はNG

例えば、「将来、介護が必要にならないように頑張らないとね!」など、親に“老い”や“介護”がすぐに連想できるような直球な問いかけをすると、他意はなくても「頼むから、(自分には)迷惑を掛けないでよね!」というメッセージが伝わってしまう危険性があります。親もそこへ敏感に反応し、「そうなっても、迷惑は掛けない。気にするな!」と、一向に、今後のことや介護予防の話しができないことがよくあります。

親も自身の老いを感じ「このままではマズイ」と思っていても、現実から目を反らして「介護なんて関係ない!」と、必死に思い込もうとしていることもあるでしょう。この気持ちが、家族に依存しない自立した生活へのモチベーションに繋がることもあるため、できる限り否定はしないでください。

介護予防も含めて、今後のことについて話し合いたいときは、まずは仕事でも、子どものことでもいいので「自分は、今後、こうしていきたい」といった自らの話題から、「ところで、お父さん(お母さん)は、今後のことをどう考えているの?」と質問をすると、自然な流れで親が今後のことをどう考えているか知ることができるでしょう。

たとえ親からの返答が、要介護になったときのことまで及んでいなくても「住み慣れた土地で、ずっと暮らしたい」といった考えを知ることができるかもしれません。そういった親の考えから、「介護サービスを上手に利用して、できる限りこの地域で暮らし続けてもらおう」など、介護が必要になったときの対応を早いうちから考えることが可能になります。

親が70歳を越えたら、子どもがやるべき“介護予防”

一方で、親の将来に少しでも不安を感じたら、そこは真摯に受け止め、子どもだけでも今からできる“介護予防”をしておきましょう。

特に親が70歳を越えたら、親が住んでいる地域の“地域包括支援センター”の場所や連絡先を調べて(インターネットで「お住まいの地域<スペース>地域包括支援センター」で検索)、電話だけでもいいので、連絡を取ってみましょう。電話で「健康体操教室」「認知症予防の食事を学ぶ会」などの催しの情報を聞き、今は介護が必要でなくても早い段階から“地域包括支援センター”との繋がりをつくっておくことが“介護予防”の第一歩となります。なぜなら、介護が必要ではない状態から地域包括支援センターと繋がりをつくっておくことで、万が一のときもすぐに対応してもらうことができるからです。

ところが「地域包括支援センターは、親に介護が必要になってから相談するところ」と思われている方が多いようですが、「健康体操教室」など“介護予防”として元気な高齢者に向けた催し物の情報発信をしております。それらの情報に関しては、地域包括支援センターや自治体のホームページ、回覧板などで発信しています。離れて暮らしていても、親が興味を抱きそうな情報を事前に収集して、帰省時などに親と今後のことを語り合いながら伝えていくことも、立派な“介護予防”になります。

そもそも“介護予防”とは

子どもがどんなに「ずっと元気でいてほしい」と思っていても、親は老いていくものです。まずは、地域包括支援センターの情報に触れながら、子どもとして親の「老い」を受け入れていく準備こそが、“介護予防”に繋がっていきます。

いつまでも親の「老い」を受け入れられないと、親の年齢にそぐわない筋トレが最優先となり、親に無理なリハビリを強いる方が、時にいらっしゃいます。たとえ介護が必要な状態になっても、介護のプロたちによる介護サービスや地域の繋がりなどに、上手に甘えて支えられながら、その人がその人らしく生活できる環境づくりを、老いの変化に合わせて考えていくことが、何よりも大切だと考えております。

 

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