2013

06/23

足に感染した「白癬」が水虫

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小黒 佳代子
株式会社メディカル・プロフィックス取締役、株式会社ファーマ・プラス取締役、一般社団法人保険薬局経営者連合会 副会長

ドクターズプラザ2013年6月号掲載

小黒先生の薬の話Q&A(15)

白癬菌は手・頭・爪などあらゆる部位に感染

水虫とは

Q1 股関節のあたりがカサカサして痒みがあったのですが、医師にカビが原因で水虫と同じと言われました。水虫は足の指の間だけではないのですか?

A1

水虫は、白癬菌という真菌が皮膚の角質層に感染、寄生することによって生じる感染性の病気で、皮膚がただれたり激しい痒みを伴ったりします。皮膚は新陳代謝によって常に細胞が入れ替わっており、最も外側には古くなった皮膚が積み重なった「角質層」と呼ばれる層があります。白癬菌は、この角質を食べて生きていくカビの一種で、皮膚につくと菌糸をのばして角質に入り込み、繁殖を始めます。特に足に感染した白癬が「水虫」と呼ばれていますが、白癬菌は手・頭・爪など人間の体のあらゆる場所に感染し、そのままにしておくと症状が悪化することがあります。

原因と治療

Q2 どこでうつされたか分かりませんが、水虫になってしまいました。医者に行った方がよいですか?

A2

水虫の原因となる白癬菌は高温多湿の環境を好むため、梅雨の時期から夏の間に盛んに活動し、冬は活動を停止しますので、どこでうつされたかわからないような水虫は、冬場に感染したものが梅雨になって悪化したのかもしれません。最近ではブーツが流行しており、冬場でもブーツの中で高温多湿の環境が出来上がることによって、女性の水虫の方も増えています。

医師に受診して水虫かどうか確定診断するのが望ましいですが、時間のない方は薬局で購入出来る一般用医薬品でも治療が可能です。もともとは医療用医薬品として使用されていた成分(スイッチOTC)の一般用医薬品がありますので、薬剤師に相談して選んでもらうと良いでしょう。様々な部位に使用しやすいクリームタイプや、かかと等の乾燥している部分に適している軟膏タイプ、角質への浸透の良い液体タイプなど、適した剤形を選ぶことが大切です。しばらく使用しても効果が感じられない場合や、痒みが非常に強いときには、医師への受診をお勧めします。特に足以外の白癬や、爪が白くなってしまった爪白癬は医師による診断、医療用医薬品による治療が必要です。また、水虫と似たような症状が、かぶれや湿疹で起こることがありますので、悪化する前に受診しましょう。

一般的に皆さんがイメージされる水虫(足白癬)は、タオルやお風呂場のマットなどから家族へ感染することが多くありますので、これらをよく乾燥させるとともに、発症したら一日も早く治療を開始しましょう。

一般用医薬品の使用方法と期間

Q3 水虫の薬を使用して痒みが無くなりましたが、いつまで続ければ良いですか?

A3

医療用医薬品では効果だけでなく浸透性の観点からも優れた外用薬が汎用されており、1日1回の使用で効果があります。入浴後の清潔な肌に使用するのがよいでしょう。水泡があってもつぶさず、石鹸で洗ってよく流し、乾燥してから薬を塗るのが基本です。無理に皮をむくことは、かぶれや感染のもとですからやめましょう。短期間に集中して塗るより、1回でもよいから毎日長期間塗る方が効果があります。

完全によくなったと思っても、自己判断で中止せずに、当分の間は薬を塗り続けることが完治のポイントです。角質層は3カ月ほどで入れ替わるので、最低3カ月、角質層が入れ替わっても生き残る白癬菌があることを考慮すると半年間継続することが望ましいと言われています。なかなか医師への受診が出来ない場合には、この継続期間で一般用医薬品を利用しても良いでしょう。