2022

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薬局の専門性や特徴を示す新たな認定制度

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小黒 佳代子
株式会社メディカル・プロフィックス 取締役、株式会社ファーマ・プラス 取締役
一般社団法人 保険薬局経営者連合会 副会長

ドクターズプラザ2022年1月号掲載

薬剤師のお仕事(12)

機能別薬局とは

前回、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」通称「薬機法」が改正され、8月より施行されたことをお知らせ致しました。改正薬機法では、二つの機能別薬局の導入がされました。「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」です。薬局はこれまで国民に薬局と認識されるような分かりやすい名称とするように定められていました。ドラックストアと区別できるように名称に「薬局」を付けることとされており、また分かりやすいように表示は全国統一とすることが望ましいとされてきました。

改正薬機法での機能別薬局は、クリニックの「内科」や「外科」のように、「地域連携薬局」や「専門医療機関連携薬局」と付けることで、国民が自分自身に合った薬局を選択しやすくするということです。これらの名称が国民にとって分かりやすいものかどうかは別として、薬局がそれぞれの特徴をこの認定を通じて示すことができるようになるということは、薬局にとって大きな変化だと思います。

地域連携薬局や専門医療機関連携薬局は、認定を希望する各薬局が届出を実施し、各都道府県知事が認定することになっています。地域連携薬局は入院していた患者さんが自宅に帰る際にスムーズに移行できるようにするために地域の病院と連携できる薬局、専門医療機関連携は、がんなどの専門的な薬学管理に他医療提供施設と連携して対応できる薬局が申請し、本年9月より認定が始まっております。 また、2015年より認定が始まった健康サポート薬局については、疾病前の未病の段階から健康相談などを通じて地域住民の健康維持・増進をサポートする薬局として今後も認定が継続されます。

専門医療機関連携薬局の役割

なぜこのような機能別薬局が必要なのでしょうか。専門医療機関連携薬局については、現在は「がん」のみの認定がされております。現在2人に1人はがんに罹患しています。がんは現在の死因でも1位となっており、がんを宣告された患者さんには精神的な負担と、治療における経済的な負担、仕事の継続などの社会的な負担がかかってきます。がんを発病された方も、がんになる前から薬局を利用されていますし、そのような時に、いつも利用していた薬局が患者サポートをできたら患者さんにとってはどれほど心強いでしょうか。

専門医療機関連携薬局(がん)の取得はかなりハードルが高く、病院での研修も修了した、がんの専門薬剤師を取得した薬剤師が薬局に所属している必要があります。当薬局は地域に根差した普通の薬局で、大きな病院の近くにあるわけではありませんが、在宅患者も含めて毎月20名ほどのがん患者の処方を応需しており、今回申請して専門医療機関連携薬局(がん)の認定を取得しました。がん化学療法の点滴は病院で実施しても自宅療養の間に抗がん剤の副作用が出現してきます。その経過を病院に報告することによって、次の治療の際に副作用防止の薬剤が処方されたり、場合によっては抗がん剤の用量を変更したりすることもあります。病院でもこれらの情報を重要視しており、病院内で行っている抗がん剤点滴の内容が薬局にも伝わるように点滴の内容を記した文書を患者さんに手渡したり、薬局にも血液検査結果が伝わるように工夫したりしている病院も多くなってきました。化学療法実施後の自宅療養を見守る薬局薬剤師として、また内服の抗がん剤を服用している患者さんの次回の診療までの体調変化をサポートする重要な存在として、今後も積極的にがん患者さんに関わりたいと思っています。

健康サポート薬局や地域連携薬局、専門医療機関連携薬局のような機能は、本来は全ての薬局が兼ね備えるべきだと思っておりますが、国民に分かりやすくするために認められた認定ですので、皆さんには、この機会に利用する薬局の機能を見直し、ご自身のニーズに合った薬局を選んで活用していただきたいと思います。