2014

05/21

薬価基準

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小黒 佳代子
株式会社メディカル・プロフィックス取締役、株式会社ファーマ・プラス取締役、一般社団法人 保険薬局経営者連合会副会長

ドクターズプラザ2014年5月号掲載

小黒先生の薬の話Q&A(25)

薬局で4月からお薬の値段が変わると言われたが……。

薬の値段

Q1 薬局で4月からお薬の値段が変わると言われました。どうしてですか?

A1

お薬の値段は一定のルールのもとで厚生労働省によって決められており、保険診療でお薬を使用する場合にはこれを遵守しなければなりません。この薬の価格を「薬価基準」といい、原則的に医療費を決める診療・調剤報酬改定とともに2年毎に見直されており、新年度の4月に改訂されます。ですから、4月からお薬の値段が変わると言われたのでしょう。

薬価基準は、新薬では原材料、研究開発費のコストなどが考慮され、さらに類似薬と比較、新薬としての革新性を判断して決められます。その後は市場実勢価に応じて薬価改定ごとに見直されてゆきます。そして特許が切れるまで独占販売されますが、特許が切れるとジェネリック医薬品の発売が許可されます。ジェネリック医薬品が初めて発売されるときには、該当する先発医薬品の薬価の70%で発売(収載希望薬品が10品目より多い場合には60%)されておりましたが、平成26年の4月より、該当する先発医薬品の薬価の60%で発売(収載希望薬品が10品目より多い場合には50%)と規定されました。ジェネリック医薬品も発売後は、先発医薬品と同様に市場での流通価格に応じて薬価改定ごとに見直されます。つまり、薬価改定ごとに多くの薬は安くなるということです。

ジェネリック医薬品と先発医薬品は全く同じ?

Q2 ジェネリック医薬品(後発医薬品)は先発医薬品と成分が同じなのに、どうして安くなるのですか? ジェネリック医薬品と先発医薬品は「全く同じ」なのですか?

A2

新たな成分が発見されて新薬として製品になるには、その効果はもちろん、副作用や相互作用等を動物実験やヒトに対して行う治験など、適正に使用されるための多くの厳しい試験を終えて医薬品として認可されることが必要で、数百億円の費用と何年もの長い年月がかかります。そのため、新薬は発売と同時に特許を取り、特許が切れるまでの20〜25年間は独占的に製造販売ができます。

一方、ジェネリック医薬品の開発は、健康な成人に先発医薬品とジェネリック医薬品を投与して、血中濃度が同じように変化してゆくことを確認する試験(生物学的同等性)によって、治療学的に同等であることを証明して製造、販売承認が行われるので、開発費がかからない分値段が安くなるのです。

しかし、ジェネリック医薬品は先発医薬品と「全て同じ」である必要はありません。例えば大きなカプセル剤を服用しやすい錠剤にしたり、シロップ剤や口腔内崩壊錠の味覚を変えているものもあります。外用剤でも使用感を改良するために、清涼剤を加えたり、温感タイプの湿布薬にするなど、様々な工夫がされているジェネリックも多く製造されています。つまり医薬品としての主成分は先発医薬品と同じであっても、添加剤を変更することによって、より患者に使用しやすいジェネリック医薬品が製造されているものもあり、そのような意味からは「全く同じ」ではないと言えます。しかし添加剤は、日本薬局法の規定により主成分の有効性を妨げず、過去に使用経験のある安全性の確認されているものが使用されています。また生物学的同等制は、添加剤も含めて行われておりますので、たとえ添加剤によって副作用が発現したとしても、その可能性は先発医薬品でも変わらないと言えるでしょう。

医療費の消費税

Q3 消費税は医療費に関係あるのですか?

A3

薬局も含めた医療機関に支払う医療費で、消費税を支払った患者様はいらっしゃらないと思います。しかし医療費の中に消費税が組み込まれております。なぜなら、医療機関も医薬品や医療材料の仕入れには消費税がかかっているからです。平成26年4月の改訂では、医療費にも薬価基準にも消費税8%への増税分が加味されました。病院やクリニックなどの初診料や再診料、薬局の調剤基本料等がほぼ消費税増税分加算されています。また介護報酬も消費税分増額されました。医薬品の価格を決定する薬価基準は市場実勢価(医療機関の仕入価格)が反映されるため、通常は安くなる場合が多いのですが、市場実勢価が高かった薬剤については、消費税増税分を加味して高くなったものもあります。