2013

09/23

薬と食べ物の飲み合わせ

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小黒 佳代子
株式会社メディカル・プロフィックス取締役、株式会社ファーマ・プラス取締役、一般社団法人保険薬局経営者連合会 副会長

ドクターズプラザ2013年9月号掲載

小黒先生の薬の話Q&A(18)

サプリメントと薬の服用にも注意!?

「食前」「食間」に服用?

Q1 多くの薬は食後に服用するようにとなっておりますが、何故ですか?

A1

薬の服用時間に「食後」が多いのは、食事という行為と関係づけることによって服用を忘れにくくするものがほとんどです。しかし、中には副作用を回避する為に食後に服用した方が良い薬や、薬の吸収の問題から食後に服用しなければならない薬もあります。イコサペント酸エチル(エパデール)やイトラコナゾール(イトリゾール)は空腹時では吸収が低下することから、食直後に服用するように添付文書で指示されています。

薬によっては「食前」や「食間」に服用しなければならないものもあり、それぞれ医薬品の吸収や薬理作用に起因しております。服用時間は出来るだけ守るようにしてください。

ワルファリンとビタミンK

Q2 ワルファリンを服用していますが、納豆やほうれん草は避けるように言われました。何故ですか?

A2

ワルファリンは、心臓の手術後や心房細動、心筋梗塞など、心臓や血管に血栓ができやすい状態の時に血栓を予防するお薬です。血管が傷ついたり血液が澱んだりすると、血小板と赤血球が集まり、肝臓から凝固因子(プロトロンビン)が生成されて血液を糊のように固めます。これが血栓です。この凝固因子を生成するときにはビタミンKが重要な役割をしますが、このビタミンKの働きを弱めて凝固因子が出来にくくするのがワルファリンです。

納豆には1パック(40g)当たり約350~520μgのビタミンKが含まれています。さらに納豆菌が腸内でビタミンKを産生します。一般に腸内細菌はビタミンKを産生しますが、納豆菌は腸内細菌の中でも特にビタミンK産生機能の多い腸内細菌に分類されます。したがって、体内でビタミンKが増加することによって、ワルファリンの効果を弱めてしまうのです。納豆は、ワルファリン服用時には完全に禁止した方がよいでしょう。また、青汁やクロレラなどビタミンKが多く含まれるものも中止してください。

一方、ワルファリンを服用している方のビタミンKの摂取量についてはいろいろな報告がありますが、ほうれん草やブロッコリー等を普通の量(小鉢程度)食べることは問題ありません。ただし、これらの食品を一度に取るのではなく、今日はほうれん草、次の日はブロッコリーというように、他の野菜も織り交ぜながらバランス良く組み合わせて、栄養のバランスを取るようにしてください。なお、適量のアルコールについては問題ありませんが、酔った状態で薬を服用するとワルファリンの代謝に影響が出ることがありますので、6時間以上あけて服用するのが良いでしょう。

サプリメントと薬の服用

Q3 健康の為にサプリメントを毎日飲んでいます。薬を服用するときに注意することはありますか?

A3

サプリメントや健康食品は食品衛生法やJAS法によって規定され、医薬品ではなく食品に分類されます。食品にはそれぞれ栄養素が含まれており、食事としてバランスよく摂取する上では特別な場合を除いて医薬品との相互作用は問題ありません。しかしサプリメントを飲むということは、ある特定の食品を多く食べるのと同じことになり、医薬品との相互作用を考えなくてはなりません。

セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)はハーブの一種で健康食品として多く発売されておりますが、医薬品の代謝に関係するチトクローム450、特にサブタイプのCYP3A4とCYP1A2を誘導することから、これらによって代謝される医薬品の代謝が促進され、効果が減弱することがあります。また、うつ病の薬との併用は相互に作用を増強することから、避けてください。

最近では筋肉増強の為にプロテインを摂取する方も増えておりますが、高タンパク食によって、薬の吸収や代謝に影響を与えることがあり、サプリメント同様に注意が必要です。サプリメントは食事から摂取することが十分でない場合に、上手に服用すると良いと思いますが、医薬品との併用については薬剤師に相談してください。