2014
02/21
花粉症
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薬
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株式会社メディカル・プロフィックス取締役、株式会社ファーマ・プラス取締役、一般社団法人 保険薬局経営者連合会 副会長
ドクターズプラザ2014年2月号掲載
小黒先生の薬の話Q&A(23)
花粉症はヨーグルトを食べると予防になる!?
Contents
漢方薬
Q1 花粉症に漢方薬で効果がありますか?
A1
花粉症に限らず、アレルギー症状に効果があるとして漢方薬が広く使用されています。よく知られているものとして小青竜湯がありますが、漢方薬は体質によっても選択されるものが異なってきます。小青竜湯は体を温める効果もありますので、冷え性の人の花粉症に効果があります。さらに冷えが強く、虚弱体質の方には麻黄附子細辛湯もお勧めです。逆にのぼせ症で、鼻づまりはあってもくしゃみや鼻水が少ない方には体の余分な熱を取ることによって不快な症状をとる辛夷清肺湯もよいでしょう。
漢方薬の薬理作用は、必ずしもそこに含まれるひとつひとつの成分がそのまま効果を表しているわけではなく、多くの成分が絡み合い、さらに体内で消化や腸内細菌による影響を受けた後に効果を発現することが研究でも判明されています。西洋薬と同じように抗ヒスタミン作用がありますが、漢方薬のよいところは、眠気や口の渇き等の副作用が少ないところです。症状に応じて漢方薬のみ、または西洋薬と組み合わせて服用するとよいでしょう。
乳酸菌
Q2 ヨーグルトを食べると花粉症の予防になると聞きました。乳酸菌のサプリメントでも効果がありますか?
A2
ヨーグルトの免疫機能改善効果はテレビや雑誌でもよく話題になりますが、実際はヨーグルトに含まれる乳酸菌の働きによるものです。乳酸菌とは糖類を発酵してエネルギーを獲得し、乳酸を生成する細菌の総称で、その種類は数限りないと言ってよいでしょう。現在命名されている乳酸菌は400種類近くあり、なじみのあるビフィズス菌やフェカリス菌も乳酸菌の一種です。
乳酸菌はキムチや味噌、しょうゆにも含まれていますが、乳製品を発酵して作られるヨーグルトがよく知られており、一般的で多く摂取しやすいということから、よく取り上げられるのかもしれません。ヨーグルトを1日200g程度継続して摂取した場合のスギ花粉症症状のある患者への効果は、論文などでも多く発表されており、腸内細菌叢を整えることによって免疫機能を改善することが明らかになっています。
ヨーグルトはもちろん、乳酸菌のサプリメントを摂取することも花粉症の予防に効果があるといえます。しかし、ヨーグルトにはカルシウムも豊富に含まれており、あらゆる意味でバランスの取れた食品と言えるでしょう。
アトピー性皮膚炎と花粉症
Q3 アトピー性皮膚炎ですが、花粉症の薬も服用した方がよいですか?
A3
アトピー性皮膚炎も喘息も、異物が体内に侵入したことによって起こる過剰な免疫反応であるアレルギー性の疾患です。その中でも特に花粉が原因となるものが花粉症と呼ばれており、花粉を体外に追い出すために鼻水やくしゃみが出たり、涙がたくさん出たりします。アトピー性皮膚炎や喘息の治療薬は、アレルギーの原因物質に対するアレルギー反応を抑える薬剤ですので、花粉症にも効果があります。ですから、あらためて花粉症用の薬を服用する必要はありませんが、花粉症の時期には症状が悪化しがちです。きちんと薬を服用することはもちろんですが、症状が悪化する時には症状に応じて点眼薬や点鼻などを併用することも必要でしょう。詳しくは医師や薬剤師にご相談下さい。