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結局のところ広報は“何でも屋”であることが一番重宝される

広報室のお仕事

佐藤 弘恵
社会福祉法人恩賜財団済生会支部東京都済生会東京都済生会中央病院
広報室 室長
ウェブ限定記事

広報室のお仕事(6)最終回

広報室での4年間を振り返って……

今回の「広報室のお仕事」シリーズもこれが最終回になりました。このお仕事をいただいていろいろなテーマで原稿を書かせていただきながら、広報担当者というのは、多岐にわたって組織の情報を知っていることが、活動を効果的に行う上で重要だということを今さらですが改めて実感しました。そして、手に入れた情報を「伝わる形にして発信していく」のが広報担当の仕事なのだと今では受け止めています。広報室は組織内部のPRに関しては気軽に引き受ける「何でも屋」であり続けることが大事だとも感じます。

私の所属する広報室が立ち上がって、間もなく5年目に突入します。私はこれまでの4年間で私は病院の中で活動する「看護師だけど広報担当者」として職員への認知を広げてきました。その結果、さまざまな職員の方々から「これをウェブサイトへ掲載してほしい」「あのことについてもっと地域へPRしたい」「この情報をもっと分かりやすく職員へ伝えたい」「この事業について患者さんに分かりやすいリーフレットやハンズアウト(チラシ)を作りたいけど手伝ってほしい」「次回の講演会で使う紹介写真を撮ってほしい」などの依頼が、多く舞い込んでくるようになりました。それと合わせてテレビ・雑誌の取材依頼も徐々に増えてきたこともあり、「PRするための基盤づくりがやっと少しずつ整ってきた」といった状況になりました。

また、この1年は特に、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、広報室は院内外へ向けていろいろなことを発信してきました。当院では院長を議長とした「新型コロナウイルス感染対策会議」を週1回定例で開催してきましたが、私は広報担当としてその会議の事務局を担ってきました。そのため、会議で検討していることや決定したことを、速やかに職員へ情報公開し、職員からの感染対策や病院運営の方針に対する質問を取りまとめたり、院長が職員へ向けた重要なメッセージを発信するときには、テキストの配信だけでなく、動画撮影をして配信する方法を取り入れたりしました。また、患者さんや一般の方々からの病院の感染対策に関する問い合わせ担当も担ってきました。もちろんこういった役割は現在も担っています。こんな風に、動けば動くほど、仕事が生み出されてしまう部分もあり、時々「自分で自分の首を絞めているなぁ……」と感じることもありますが、広報室が動くことで患者さんや職員の不安が一つでも減り、正しい情報を手に入れていただくことができるならと思い、前のめりに頑張っています。

情報の行き来の活性化が良い化学反応を生む

広報室がこういった活動を続けてきたかいあってか、全く関係ないのかは分かりませんが、職場の中で情報の行き来を活性化させることで、良い化学反応が起っている事例があります。先日も医療技術部門(薬剤部、栄養管理科、臨床工学科、放射線技術科、リハビリ技術科)の中心メンバーが合同で、職員へ向けたニュースレターの配信準備を進めてくれていることを知りました。「医療技術部門から職員の皆さんへ伝えたいこと」という内容で紙面レイアウトも分かりやすく構成されていました。これまで院内で定期的に配信されていた「広報ニュースレター」や「看護部ニュース」などから、「楽しみながら自分たちのことを情報発信する」という点で、良い刺激を受けてくださった成果だととてもうれしく思っています。職員みんなが自分たちの部署のことを院内でもっと知ってもらいたいという気持ちを強く持っていただければ、そこに職員のプライドが生まれ、それが私たちのブランディングの礎になると私は信じています。

つい先日、同じ済生会で働く別の病院の広報担当者から、「(みんな)何でも……広報に言えば良いと思っている」と忙しさゆえの愚痴の共有を冗談交じりにしていました。けれど、大事なリソースを見す見す取り逃すぐらいなら、広報担当は“何でも屋”でいいから、職場の皆さんに「使っていただいてなんぼ」という感謝の気持ちを忘れないようにしなくちゃいけないね、とぜいたくな悩みであったことをお互いに反省したばかりでした。

広報担当者が、職員一人一人の働くモチベーションにつながるような情報を集めてつなぎ、職員間で上下・左右・斜めの双方向のやり取りができるようになると、組織に活力が生まれ大変な難局に直面しても、乗り越える力を発揮できるはずと私は考えています。そのためのきっかけ作りをもっともっと仕掛けて広めていくことが、次の5年目にやるべき広報の仕事なのだろうと私は考えています。

 

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