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病院における広報室の役割とその仕事

広報室のお仕事

東京都

佐藤 弘恵
社会福祉法人恩賜財団済生会支部東京都済生会東京都済生会中央病院
ウェブサイト限定記事

連載/広報室のお仕事(2)

新型コロナウイルスによって、この数カ月で世の中の状況は大きく変わりました。特に医療機関で働いている私は、新型コロナウイルス感染患者さんが都内で急増した2月下旬から4月にかけては、多忙を極めていました。6月に入り、緊急事態宣言が解除され、今は県外移動もできるようになりましたが、いつ感染するかも知れぬ、見えないウイルスと付き合っていくのは、やはり不安も大きいですね。皆さんの生活スタイルはどんなふうに変わったのでしょうか? 私はというと、ハンカチはバッグに入れるのを忘れても、マスクは常にバッグに入れて忘れない生活になりました。

病院で展開する広報って?

さて、今回は広報の仕事についてお話し、特に私のように病院で展開する広報について、その概要を紹介したいと思います。

まず、一般的に広報(Public Relations=PR)とは、企業(組織・団体)の活動内容を世間に正しく理解していただきながら、人々の自社に対するイメージを高めていくことだと認識しています。病院であってもこの考え方に変わりはありません。最終的に「〇〇病院っていい病院だよね」「〇〇病院で診てもらっているから安心だよ」という人々からの反応をいただければ、広報活動としては大成功だと思っています。欲を言うなら広報活動の結果、病院へ来てくださる患者さんが増えれば、なおありがたい話です。

また、広報は院外に向けた活動だけではありません。院内に向けた活動も重要です。職員に向けた広報活動をインターナルコミュニケーションと言いますが、これも広報室の大事な仕事です。院内でのイベント報告や、撮影・取材情報などを職員へ向けて発信したり、部署の紹介などをニュース配信することで、帰属意識を高めたり、組織内のコミュニケーションを活性化させていくのが目的です。

対象が変われば、PRの内容も変わる

病院が広報する対象(ステークホルダー)は、さまざまです。ひと言でいうと「世の中で生活する人々すべて」になります。その中で対象をカテゴライズしながらそれぞれに合う情報を提供する必要があります。例えば、近隣の医療機関の方々へは、当院が得意とする疾患の最新治療方法の紹介だったり、当院で実施できる手術の紹介だったりです。また、患者さんへ向けては、罹患者の多い病気や、季節ごとに発症しやすい病気の解説や治療方法についてです。さらに、健康で病院に来る機会がまだ少ない方々へも病院から健康増進の話題などを提供します。一方、当院へ就職希望のある学生さんなどには、当院で働く魅力を伝えることが重要ですよね。このように、情報を受け取る対象が変われば、PRの内容も自ずと変わってくるということを、理解しながら内容について検討するのが広報の仕事です。

広報の仕事はほかにもあります。病院で働く人々の紹介をすべく、テレビ、ウェブサイト、新聞、専門誌などへの取材の対応も行います。もちろん主役は各現場で働く職員です。広報担当者は裏方として、職員のみなさんが一番輝くようにプロデュースする役割があると思っています。さらに、ホームページやSNSの運営も当院では広報担当の仕事です。2017年に医療法の一部改定があり、医療広告ガイドラインが厚労省から配信され、病院が発信する情報も広告とみなされるようになりました。ウェブサイトでの情報配信はとても重要だと考えていますので、できるだけタイムリーにかつ客観性のある正確な情報を掲載するように心掛けています。

そして最も重要な仕事が危機管理広報です。この言葉、聞き慣れない方も多いかと思います。危機管理広報を表現するならば、「組織が危機的状況に陥った時、コミュニケーション力で組織への信頼を維持し、その組織のブランドを守ること」です。今回の新型コロナウイルス感染症感染拡大によって、当院でも危機的状況が発生し、広報担当として学びの多い経験をしました。これについては、連載の後半の回で触れることにします。

このように、広報担当者の仕事は多岐にわたるということを、この原稿を書きながら改めて実感しています。私がこの仕事を楽しいと思って日々過ごしているかどうかは横に置いておいても、結構なハードワークです。今は主に院内で仕事をする日が多いのですが、今年は院外での広報活動にも力を入れていきたいと考えています。体力が続く限り私の奮闘は続きます……。

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