2014

01/22

湿布

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小黒 佳代子
株式会社メディカル・プロフィックス取締役、株式会社ファーマ・プラス取締役、一般社団法人 保険薬局経営者連合会副会長

ドクターズプラザ2014年1月号掲載

小黒先生の薬の話Q&A(22)

冷感タイプと温感タイプの使用

湿布選びの注意

Q1 白い湿布や肌色のもの、冷やす湿布や温める湿布、いろいろあって自分にどれが合っているか分かりません。どのように選べば良いですか?

A1

貼り薬は皮膚から薬の有効成分が吸収されて効果を現します。これを経皮吸収といいますが、経皮吸収の貼付剤には、吸収された後に血管内に入って全身に作用するものと、貼付した場所で効果を発揮する局所作用のものとがあります。貼付剤は内服薬と異なり、胃や腸を通らないため消化管への負担も少なく、胃腸障害を避けることが出来ます。また、副作用が現れた時でも剥がしてしまうことで投与を中止することが可能なため、副作用への対応が簡単というメリットがありますが、肌の弱い方はかぶれてしまうという欠点があります。

痛む部分に使用する貼付剤は一般的に湿布薬と言われておりますが、水分を多く含むパップ剤と、ピッタリとついて剥がれにくいテープ剤(プラスター剤)があります。パップ剤は白いフランネル地に水溶性の基剤を使用して薬剤成分を含めて塗布したもので、水分を多く含む為にヒンヤリとした感じがします。それに対してテープ剤は、ポリエステルやアクリル系の地に脂溶性の基剤を使用して薬剤成分を塗布したものです。そのために皮膚との親和性が良く、剥がれにくくて薬剤も吸収されやすく効果が高いといえるでしょう。現在流通しているパップ剤やテープ剤の多くは消炎鎮痛剤が含まれており、冷やしたり温めたりすることが目的ではありません。冷却シートやカイロとは異なる点です。

冷感タイプのものは基剤に含まれる水分が気化することによって冷たさを感じます。またメントール等によって冷感を感じさせる工夫もあります。一方、温感タイプはトウガラシの成分であるカプサイシンによって暖かく感じるように作られています。温感タイプは入浴直前にはがすと、入浴時に刺激が生じる場合があるのでご注意ください。

冷感タイプと温感タイプのどちらを使用するかは、冷たいタオル等で冷やすと痛みが和らぐ場合には冷感タイプ、入浴すると痛みが和らぐときには温感タイプを目安に選ぶと良いでしょう。基本的には気持ちがよい方を選択すれば良いのですが、打撲や骨折等、腫れを伴った炎症があるときに温感タイプを使用すると、さらに症状が悪化してしまいますので注意して下さい。このようなときは冷感の強いパップ剤の方が適しています。

先発品には冷感タイプしかなくても、ジェネリック医薬品には温感タイプがあるものもあります。薬剤師にご相談ください。

何枚まで貼って良いの?

Q2 あちこちが痛くて、湿布を体中に貼っています。何枚まで貼っていいですか?

A2

痛みに使用するパップ剤やテープ剤は、局所作用の薬剤ですので痛む箇所に複数枚貼付しても構いませんが、局所作用の薬剤でも一部は血液中に移行されます。何枚までとの規定はありませんが、沢山貼ることで内服薬と同様の副作用が起こる場合もありますので注意してください。

妊娠している場合や、喘息の方は特に注意が必要です。血液中に移行した薬剤によって思わぬ副作用が生じないように、枚数に限らず、使用にあたっては必ず医師や薬剤師に伝えるようにしてください。

使用回数が違うのはなぜ

Q3 湿布薬には1日1回のものと1日2回のものがありますが、どのように決められているのですか?

A3

湿布薬の持続時間は、内服薬の効果と比較しながら、1日1回、2回、3回などの使用回数に応じた臨床試験を行い、血液中の濃度など、各々の薬剤の吸収パターンが同じかどうかを確認する試験を行った上で決められています。医師に受診して医療保険を使用して処方してもらう場合には、使用する部位に応じて決められた枚数までしか適応されませんのでご注意ください。