2013

05/24

家庭の中の薬

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小黒 佳代子
株式会社メディカル・プロフィックス 取締役、株式会社ファーマ・プラス 取締役、一般社団法人保険薬局経営者連合会 副会長

ドクターズプラザ2013年5月号掲載

小黒先生の薬の話Q&A(14)

室温保存は1~30℃。冷所保存は15℃以下のことを言う

余った薬はどうしたら良いの?

Q1 以前に病院でもらった薬が余っています。どうしたら良いですか? 同じような症状であれば、再び服用したり、家族や友人にあげたりしても良いですか?

A1

薬局や病院でもらった錠剤やカプセル剤は、適切な保管方法であればだいたい半年くらいは効果が無くなることはありません。しかし粉薬やカプセル剤は、薬局で調合している場合が多く、長期間保管出来ませんので、処方されたときに飲みきって、残っていても捨てるようにしてください。ほとんどの薬は一般のゴミと同じように処分して問題ありません。ご心配な方は薬局に持参されて処分してもらってください。

風邪薬等は、同様の症状があるときには服用してみても良いでしょう。一度服用した経験のある薬ですから、効果も副作用も分かっているので安心して服用出来ると思います。ただし、病気は必ずしも同じではありませんから数日しても症状が治まらないときには必ず医師の受診を受けるようにしてください。また、同じような症状だからといって、余っている薬を他の人に服用を勧めるようなことは絶対にしないようにしてください。他に服用している薬との相互作用や体質によって、思わぬ副作用が現れることがあります。まずは薬剤師や医師に相談するようにしてください。

薬の保管は?

Q2 薬はどのように保管すれば良いですか?

A2

薬には保管に適した温度があります。室温保存は1~30℃のことで、冷所保存は15℃以下のことを言います。台所やストーブの側は冬でも高温になりやすいので注意してください。薬は湿気にも弱いので、直射日光を避け、缶等に乾燥剤を入れて保管するのが上手な保管方法です。夏は室内も30℃を超えてしまう場合がありますので、冷蔵庫に保管しても構いませんが、凍ってしまうと変質することがあるので、温度管理に注意するようにしてください。野菜室を利用するのも良いでしょう。また、小児がお菓子と間違って服用したり、高齢者がよく見えなくて他の人の薬を誤って服用したりしてしまうことのないように、手の届かないところに保管してください。

薬の量は?

Q3薬が十分に効いているような気がしないときには、量を増やして服用してもよいですか?

A3

薬には有効用量があり、量を増やせば効果だけが増えるというものではありません。副作用や有害事象が発現する可能性が高くなって大変危険です。糖尿病の薬では血糖値が下がり過ぎて低血糖になることがありますし、喘息の薬でも副作用で心臓に負担がかかったりします。一般的に安全と思われるビタミン剤でも注意が必要です。ビタミンには水に溶ける水溶性のビタミンと油に溶ける脂溶性のビタミンがありますが、疲れがひどいからといって自分の判断で多く服用した場合、脂溶性のビタミンでは過剰症が起こる場合があります。しかし、薬の種類によっては効果に応じて量を調節するものもあります。

例えば便秘薬は、個人によって症状や薬の効果に差が起こりやすく、便が緩すぎるときには量を減らし、便秘が続いている場合には増やすこともあるでしょう。これは有効用量に幅があるだけで、基本的には量を増やしても効果の無い薬剤は中止するか変更されます。効果が感じられないからといって自己判断で多く服用したり中止したりせずに、必ず医師や薬剤師に相談してください。薬局で購入した薬についても同様です。決められた用量を守って服用しても効果のないときには薬剤師に相談し、症状が改善しないときには医師に受診しましょう。