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コロナ禍の今こそ、今後の親との関わり方を考える良い機会

介護

川内 潤
NPO法人となりの介護 代表理事
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隣(となり)の介護(8)

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する中で、テレワークなどにより、家にいることが多くなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。それにより、「仕事」という言い訳ができなくなり「これからは、親を近くで支えていこう!」と、思われた方もいるかもしれません。ところが、一見、親孝行と思えるこの考えには、大きなリスクが潜んでいるのです。

近い距離間でのサポートが悲劇を生むことも

私は、急激に縮まる親と子の距離感に、次のような危機意識を持っています。

介護の現場では、こういったケースを数多く見てきました。だからこそ、もし、コロナ禍をきっかけに、今後の親との関わり方を考えたならば、そこは冷静な判断をお願いしたいのです。

これまでの関わり方で親が特に困っていないようであれば、そのまま程良い距離感を保つよう努めましょう。たとえ離れて暮らしていても、できるサポート(こまめな電話や、下記で紹介する地域包括支援センターに電話相談)があります。

この機会に地域包括支援センターに電話相談を

親に少しでも心配なことがあるならば、公的な機関であり、介護に関する専門職が配置されている“地域包括支援センター”に相談してみるのも良いでしょう。地域包括支援センターでは、匿名や電話での相談も可能です。インターネットで「親の住んでいる住所<スペース>地域包括支援センター」と検索をすれば、電話番号を調べることができます。

すでに、親が要介護の状態だったら……

コロナ禍では「デイサービスで感染したら大変!」と、利用している介護サービスを取りやめてしまった方もいたようです。ですが、そもそも「施設」と「自宅」では、どちらが安全なのでしょうか?

施設には看護師などの専門職がおり、毎回、体温・血圧・脈拍をチェックしているため、利用者に異変があればすぐに気付きやすい状況にあります。老人ホームなどの入所施設では、インフルエンザの流行時などは感染者がいるフロアは隔離、入院措置などの対策を取っています。考え方の1つではありますが、介護サービスを利用せず家に一人でいる、もしくは家族と一緒にいるよりも迅速かつ適切な対応が受けられる可能性が高いのではないでしょうか。

一方で、デイサービスの閉鎖や利用制限のあった地域もありました。今回のような事態が起きてからでは、介護現場も目の前の対応に追われてしまい、連絡が取りづらい状況になってしまいます。そのため、日ごろからケアマネジャーと代替えとなる訪問ヘルパーや宅配弁当の事業者について聞くなど、緊急時の対応についても話し合っておきましょう。

家族だけで判断しない

どんな状況下でも、親との関わり方については、先を見据えた冷静な判断を続けていくことが不可欠です。「介護の技術があっても自身の親のことを冷静に受け止めるのは難しい」と、学校で教えられたほどです。だからこそ、地域包括支援センターやケアマネジャーなど介護のプロなどに相談しながら、今こそ親との関わり方を、改めて考えていただければと思います。

 

 

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