2020
12/24
アフターコロナでの帰省後に振り返ってみよう!
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介護
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NPO法人となりのかいご 代表理事
ドクターズプラザ2021年1月号掲載
隣(となり)の介護(11)
Contents
“親の変化に気づくチェックシート”
新型コロナウイルスの感染拡大により、離れて暮らす親の元への帰省を控えていた方も、年末年始は実家で家族と一緒に過ごされた方もいらっしゃると思います。久々に会った親にコロナ禍の自粛生活から、次のような変化が見られたら注意が必要です。
•買い物へ行く回数が減った
⇒筋力が弱まり、歩くスピードが落ちている
•地域の集まりが減った
⇒会話のテンポが遅くなり、物忘れが増えている
•来訪者が減った
⇒庭や家の中が荒れ気味で、身なりを気にしなくなってきている
●アフターコロナで親の変化に気づいたら……
会えなかった期間に、電話では「大丈夫」と言っていても、実際に会ってみると親に何らかの変化を感じたら……。変化が大きければ大きいほど、動揺して「同居しよう」「頻繁に帰省してサポートしなければ」といった冷静さを失った判断をしてしまいがちです。でも、それは介護離職や介護による共倒れにつながる危険をはらんでいるため、慎重に検討することが必要です。
そこで、アフターコロナでの帰省後に振り返っていただきたい“親の変化に気付くチェックシート” や、そこで感じた変化に対する“心構え”をご紹介します。
●遠くの家族より、近くの専門家
親が「サポ―トを受けたくない」と言っても、家族が電話で地域包括支援センターに相談することもできます。親の“まだ大丈夫”という気持ちは生活意欲や自立心の表れなので、決して悪いことではありません。ただ、「今のまま見守っていいのか」「どのように声掛けをしていくのか」を、専門家に相談しながら検討する必要があります。サポートが必要となった場合も、全てを家族が担うのではなく、専門家の手を借りながら、安心して任せられるサポート体制を整えることができます。
●すでにサポートを受けている場合は
担当のケアマネジャーに連絡を取り、今後のことについて相談しましょう。本来、訪問での状況確認や聞き取りをする必要があるのですが、コロナ禍では、電話での聞き取りだけになっている場合があります。熱心なケアマネジャーであれば「電話で声を聞くだけで、大丈夫か?」と不安を感じています。ぜひ、このタイミングで、電話で良いので気付いたことや疑問に思ったことをケアマネジャーに伝えてください。
●コロナ禍で感じた不安を大切に
生活スタイルの変化を余儀なくされるアフターコロナの中で、少しでも気になることがあれば、この機会に「地域包括支援センター」に電話をしてみてください。今すぐサポートが必要でなくても、「いざという時の相談先」を得ることで、大きな安心につながります。
親の変化に気付くチェックシート
帰省時に感じた家族の変化を想像しながら、下記のチェック事項に該当する箇所があれば〇を付けてください。
1. 一人でバス・電車・自家用車で出かけられなくなった 【 】
2.日用品の買い物にも出かけていない 【 】
3.週に1回も外出していない 【 】
4.ここ最近、外出の回数が減ってきている 【 】
5.預金の出し入れができない 【 】
6.友人の家へ出かけていない 【 】
7.家族や友人の相談にのらなくなった 【 】
8.階段を手すりや壁をつたわらずには昇れない 【 】
9.椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がれない【 】
10.15分ほど続けて歩くことができない 【 】
11.この1年間で転んだことがある 【 】
12.転ぶことに恐怖がある 【 】
13.この半年間で2、3㎏以上の体重減少した 【 】
14.固いものを食べ辛そうにしている 【 】
15.お茶や汁物でむせることがある 【 】
16.同じ話題を繰り返し話すことがある 【 】
17.自分で電話番号をダイヤルして電話をかけていない 【 】
18.今日が何月何日かを把握できない 【 】
19.以前は楽しんでいたことが楽しめなくなっている 【 】
20.以前は楽にやっていたことがおっくうになっている 【 】
21.「疲れた」と落ち込んでいる様子がある 【 】
22.日々の生活を楽しんで送ることができていない 【 】
※厚生労働省の基本チェックリストを参考に作成
【 】に〇が3つ以上入った場合は、地域包括支援センターに電話相談してください。
地域包括支援センターは、インターネットで「親の住んでいる住所〈スペース〉地域包括支援センター」で検索することで調べることができます。