2014

03/21

お薬手帳/薬局での薬代

  • null

小黒 佳代子
株式会社メディカル・プロフィックス取締役、株式会社ファーマ・プラス取締役、一般社団法人 保険薬局経営者連合会 副会長

ドクターズプラザ2014年3月号掲載

小黒先生の薬の話Q&A(24)

お薬手帳は大人の母子手帳

お薬手帳の役割

Q1 薬局でお薬手帳を持っているか聞かれます。いつも同じ薬をもらっているのに、持って行った方がいいのでしょうか?

A1

お薬手帳は、ご自身のお薬の記録です。現在服用している薬や副作用等を記録しておくことで、他の医療機関にかかるときに手帳を見せればすぐに状態が分かるようになります。いつも同じ薬を服用しているのであれば、その薬をどのくらいの期間服用しているかが手帳によって分かります。是非ご持参ください。

また、お薬手帳は1冊にまとめるようにして下さい。医療機関ごとに作られることは、ご本人にとっては見やすく、整理されているように思われるかもしれませんが、お薬手帳にはそのときに処方される薬だけでなく、他に服用している薬(併用薬)との飲み合わせ(相互作用)をチェックする役割もあります。

お薬手帳を見れば現在服用している全ての薬が分かり、その薬を服用するに至る経過や、その時の体調まで分かるのがベストです。ご自身で血圧や自覚症状なども書き入れておくと、後で見たときに良い記録となります。

よく、ご自身で貼るからという理由で手帳を持参されない患者様もいらっしゃいますが、お薬手帳は患者様の為に医師や薬剤師が使用するものです。私はいつも「お薬手帳は大人の母子手帳」とお話しておりますが、受診時の体調や予防接種の有無など、また時には副作用や服用で困っていることを医師に伝えるツールとして記入したり、手帳が発行されない院内処方で処方された併用薬も記入して差し上げるようにしています。東日本大震災の際にも、お薬手帳をお持ちの方はすぐに同じ薬を処方することが出来ましたし、薬から疾病や重症度等も読み取ることも出来ました。保険証と一緒に携行して、薬局で処方せんを出すときには勿論、医療機関を受診する際にも医師に見せるようにして下さい。

薬局によって薬の値段はなぜ違うの!?

Q1 薬局によって同じ薬でも値段が違います。どうしてですか?

A1

病院やクリニック、歯科、薬局などの全ての保健医療に関する料金や薬代は、厚生労働省の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)で決定されており、診療・調剤報酬改定や薬価改訂といって、通常2年に一度見直されます。勝手に料金を変えることは、適正な医療を行っていることによって選択されるべき医療機関に、患者を金銭で誘導する行為として禁止されています。

病院等では、24時間体制の有無や診療体制によって初診料や再診料、入院基本料等が異なってきますが、薬局にも調剤基本料があります。病院等と同じように緊急時の対応や、医薬品の備蓄数などによって基本料が異なっており、料金が薬局によって変わるのはこの為です。

沢山の薬をそろえておくことや、一つの薬に対して先発品と後発品の両方を置いておくことは、無駄も多くなります。医薬品は必要なときに必要量使用するもので、体調が変化することによって薬も変更されてゆきますし、医薬品にも使用期限があるからです。後発医薬品を使用するということは、薬局にとっては薬代が安くなり報酬が減るわけですが、それでも医療費の削減の為に多くの医薬品を揃えて、様々な患者様に出来るだけ応える準備をする他、緊急時への体制を整えること等について評価され、調剤基本料に加算されています。

また後発医薬品への変更の有無や、選択された後発医薬品のメーカーによっても料金が異なることがあります。後発医薬品は、発売当初はどのメーカーも先発医薬品の原則70%と同じ価格で発売されますが、市場の変動にともなって薬価改定の際に変更されてゆくため、メーカーごとに値段が異なってきます。同じ薬なのに薬局によって値段が変わることに疑問をもたれる方もいらっしゃるかもしれませんが、基本料によって変わる金額は、最高でも1割負担の方で70円、3割負担の方でも200円で、それを超えることはなく、それ以上のものは後発医薬品メーカーの違いによって生じていると思って良いでしょう。