瀨良 愛里沙 さん

東京家政大学 看護学科4年

2025/05/01

自分の看護が誰かの支えになっていると感じる瞬間!?

医療系学生インタビュー(70)

小さい頃から抱き続けた医療への道

──看護師を目指したきっかけを教えてください。

瀬良 小さい頃から医療の世界に憧れがあり、医療従事者になりたいと漠然と考えるようになりました。また、私はぜんそく持ちで幼少期は何度か入院したことがあったので、看護師さんがすごく身近な存在だったこともきっかけの一つです。入院中に家族が帰ってしまった後、看護師さんがそばにいてくれて、とても心強く、誰かを支えられる仕事って素敵だなと感じるようになりました。小学生になると、母にお願いして「看護の医学書」を買ってもらい、夢中になって読んだことを覚えています。母が目の手術を受けた際は、医師の説明をノートにまとめたことも。私の中で「看護師になる」という気持ちはずっと揺らぐことなく、真剣に目指すようになりました。

──東京家政大学を選んだ理由は何ですか?

瀬良 東京家政大学に通っていた姉から「先生との距離が近くて、事務の方々も親身に相談に乗ってくれる」と聞き、志望校として考えるようになりました。看護学科は他大学と比べて歴史が浅いのですが、看護師国家試験の合格率がほぼ100%と全国平均よりも高く、就職支援も手厚いという点も大きな決め手でした。実際に入学してみると、1年生の頃から講義内で国家試験に出る部分の解説があったり、模試を解く機会があったりと、国家試験に向けた準備がしっかりできる環境が整っていました。

高齢者施設での体験が、今の進路のきっかけに

──学生生活はどのように過ごしていますか?

瀬良 1、2年生は基礎科目や解剖学、看護技術の演習など知識と技術の土台をしっかり学ぶ時期でした。特に臓器で起こり得る病気のメカニズムを学ぶ疾病治療論という科目は、治療の流れを知ることができとても楽しかったです。どの科目も覚えることが本当にたくさんあり、往復5時間の通学時間を活用しながら毎日、予習・復習は欠かさずに行ってきました。

1、2年生の後期から実習が始まり、3年生では半年間の領域実習を経験します。将来は高齢者の看護に携わりたいと考えていて、認知症で施設に入所している祖父の元を訪ねて、食事介助やマッサージをしながら、介護の現場を実際に学ばせてもらっています。

──高齢者看護を目指そうと思った理由を教えてください。

瀬良 きっかけの一つは中学生の頃に、年に1〜2回行われる東日本大震災の被災者の方々に向けた慰労コンサートに参加したことです。私は吹奏楽部に入っていたので演奏者として参加したのですが、高齢者施設を訪れた時に、高齢者の方と手を握ってお話をしたことがとても心に残りました。人としっかりと向き合うことの素晴らしさを感じ、これが私のやりたいことなのかもしれない、と考えるようになったんです。その後、大学でさまざまな分野の実習を経験する中で「高齢者の方々と関わる看護がしたい」と強く思うようになりました。患者さんだけでなく、そのご家族とも関わりながら、患者さんの人生に寄り添う看護を目指していきたいと思っています。

──これまでに影響を受けた人や座右の銘を教えてください。

瀬良 高校の先生に言われた「笑顔が素敵ですよ」という言葉に勇気をもらいました。私は元々人見知りで、感情を表に出さない人だったのでこの言葉を聞いて「このままの自分で良いんだ」と前向きな気持ちになれました。これがきっかけで、「ありのままを受け入れることで、患者さんに少しでも前向きな気持ちになってもらい、病気と闘う力を届けたい」と思うようになりました。

座右の銘としては、「努力は決して裏切らない」という言葉を大切にしています。これは、高校生の時に両親から言われた言葉です。私は附属高校に通っていたので内部推薦を目指していました。定期テストの成績がすごく重要だったので、この言葉を励みに猛勉強し、最終的に苦手だった数学で学年トップの成績を取り、内部推薦を勝ち取ることができたんです。大学での実習中もこの言葉を思い出して、「患者さんのためになる」「自分の未来につながる」と自分に言い聞かせながら乗り越えてきました。どんな時でも思い出すと自然と力が湧いてくる、大切な言葉です。

ご家族にも寄り添える看護師に

──将来はどのような看護師になりたいですか?

瀬良 患者さんのささいな変化にも気付ける看護師になりたいです。以前、実習で言葉を発することが難しい患者さんを担当させていただいた際に、その方の目や手の動き、表情を観察することで、患者さんが伝えたいことをくみ取ることができ、笑顔を見せてくださったんです。その瞬間は今でも忘れられません。患者さんに一番近い存在である看護師だからこそ、気付けることがあると思います。

また、不安を抱えているのは、そのご家族も同じだということを実習の中で学びました。だからこそ、ご家族にも寄り添える看護師になりたいと思っています。また、将来は高齢者の看護をしながら療養病棟で働きたいと考えています。その患者さんらしい最期を迎えられことを大切にしながら、看護をしていきたいです。

──最後に、後輩たちへのアドバイスをお願いします。

瀬良 看護師は、命に直結する仕事なので、実習では厳しいことを言われたり、記録の多さに圧倒されたりすることがあると思います。私も、自分には無理かもしれないと不安に思ったことがありました。でも「今の自分に足りないことを教えてもらえて良かった。次に生かそう!」と気持ちを切り替えて、目の前の患者さんとしっかり関わることで、自分の看護が誰かの支えになっていると感じる瞬間がありました。

長い実習を終えた今、やっぱりこの道を選んで良かったと心から思っています。大変なことを乗り越えることで、看護師になりたいという気持ちがもっと強いものになると思うので、ぜひ諦めずに頑張ってください。

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