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好きな道を夢中で走り精一杯生きていきたい

福井 梓穂 さん

IFMSA

東京女子医科大学医学部4年生

医療系学生インタビュー(35)

困っている人に手を差し伸べられる仕事を目指して

―ご実家が開業医とのことですが、小さな頃から医師を目指していたのですか?

福井 実は高校生になっても、自分が何になりたいのか分からずにいたんです。最初は違う大学に進みました。しかし、実際に入学してみたら、周囲はその世界に進むことを目指して志高く学んでいる。その中にいて、自分が本当にしたいことは何だろうと考え直しました。そして、日本を変えたいとか何か大きなことを成し遂げたいというよりは、身近でつらい思いをしている人の力になれる人間でありたい。そんな結論に至りました。特定の限られた人だけでなく、日常的にどんな人にも手を差し伸べられる技術、仕事とは何だろうと考えた時に、それが医師だと気付きました。入学してすぐ辞めてしまいましたが、こういう機会を貰えた分、後悔はしていません。文系からの転身ということで、勉強は大変ですが、ユニークな人がたくさんいて楽しいし、影響を受けることも多いです。学内には他の道を歩んでいたけれど、やはり医療を目指したいと方向転換した人もたくさんいます。

―部活動はされていますか?

福井 弓道部、華道部、茶道部に入っています。中学生の頃から続けているので、自分の中では自然なことなのですが、今は幹部の学年でもあるので忙しいですね。バイトでは塾講師やブライダルのスタッフをしています。体力はそれほどないのですが、好奇心は強い方かもしれません。

―夢のためのハードな勉強と自分の好きなことを両立してとてもタフですね。たくさんの引き出しをお持ちですが、将来的にはどのような医師になりたいですか?

福井 まだ専門は決めていませんが、ずっと関わっていきたいことの一つに山岳医療があります。両親は山が大好きで、私の名前も上高地から見える風景の梓川と穂高から付けられたほど。おかげで私も山が大好きなので。

―山岳医療となると、特別な勉強をするのですか?

福井 大学の授業で特に山岳医療の講義というのはありませんが、医学部を有する歴史ある大学の多くは、夏山診療所を設けています。そこで医学生も実地研修ができます。女子医大には山の診療所がないので、他大学の診療所に自分でアポイントを取って、お手伝いさせていただいたりしています。実地はとにかく勉強になりますね。

いろいろな世界に触れ、視野を広げたいという想い

―医学以外の分野にも興味を持って活動されているのですね。その原動力は何なのでしょうか?

福井 大学生活って、意外と狭い世界でも生きられてしまう。接点がなくても暮らせるし、自分から関わろうとしないと、そういった機会も少ないと思うんです。私はいろいろな世界に触れたい、視野を広げたいので、いろいろな考えを学びながら自分のしたいことをしていきたいと思っています。

―医療系の学生団体であるIFMSAにも所属されていますね。IFMSAではどのような活動をしていますか?

福井 IFMSAでは、自分の興味のある委員会に所属します。私は「公衆衛生」の委員会に入って、同じ委員会のメンバーと一緒に活動しています。何をするか、どんなふうに進めるかは全てメンバー同士の話し合いで決まります。自主的に動かなければ何も起きません。委員会とは別に、IFMSAの中での役割分担もあります。私は去年、副事務局長を務めさせていただきました。今年はMLマネージャーという役割です。

―具体的にはどのような役割ですか?

福井 IFMSAは他の団体や社会とも積極的に関わっています。その一つに、学生に広めたいことのある他団体などの依頼でIFMSAメンバーに情報を流すことや、企業にはIFMSAで宣伝をする代わりにスポンサーになっていただくということがあります。その活動を広めたり、実際に情報を流すなどの管理をしたりするのがMLマネージャーの役割です。

―IFMSAの活動の中で、特に印象深いことがあれば教えてください。

福井 今年3月、スロベニアで行われた世界総会に参加した時には、特に多くのことを考えさせられました。まずは英語が伝わらない。他の国の学生たちは、英語でスムーズにコミュニケーションしているのに、中学生からずっと学んできた私は、必要なこと、言いたいことがうまく伝え合えずショックでした。そして、文化も社会も違う国がたくさんあり、同じ医学生でも抱えている問題、意識している問題は本当に幅広いんだなと。でも、命の尊さ、それを守ろうとする気持ちは一つ。とても勉強になったし、刺激を受けました。

―最後に、どんな医師になりたいか、そして医師を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

福井 私の目標は、診察室だけではなく、病院ではない場所でも患者さんを診ることができるドクターになることです。いつでも、どこでも、病気やケガで苦しんでいる人を助けられる。そういうドクターになりたいです。私は医師を目指していなかったとしても、今やりたいことをやり、今を精一杯に生きていきたい。好きな道を夢中で走って、走り切った後に振り返り「いい人生だったな」って思いたい。だから、私が他の人に言えることがあるとしたら「やりたいことがあるなら、迷わずに飛び込んでみましょう」ですね。

 

ドクターズプラザ2019年9月号掲載

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