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医師不足の地域医療への貢献

更谷 朱里 さん

IFMSA-Japan

札幌医科大学医学部医学科4年生

医療系学生インタビュー(43)

医師不足の地域医療への貢献

地元の課題を見つめ獣医学部から医学部へ

―医師を目指したきっかけは何ですか?

更谷 実家が酪農家でもともとは獣医学部を目指していたのですが、周りの人から「人間のお医者さんもいいんじゃない?」と言われたことがきっかけで医学部を意識し始めました。実家のある地域はとても田舎で病院や医師の数が少なく、病院にかかるのはすごく大変なことだったんです。そういった記憶もあり、地域の医療に携わりたいという気持ちが芽生えて、医師を目指そうと決めました。高校2年生のときです。周囲に医療関係者は全くおらず、自分に医師になる適性があるのかと悩んだこともあります。高校時代は寮に入っていたので、寮の友人に相談に乗ってもらいました。今ではいい思い出です。

―所属の学生団体IFMSAにはどのようなきっかけで入りましたか? また、どのような活動をしていますか?

更谷 受験期に読んでいた医学部受験生向けの雑誌にIFMSA-Japanのことが載っていて、全国の医療系学生と交流できるという紹介文に惹かれたのがきっかけです。「面白そう、大学入ったら絶対に入ろう!」と思っていました。2020年度からIFMSA-Japanで会計を務めています。また、昨年度は北海道支部の代表をさせてもらっていました。北海道地域の新歓や、勉強会などのイベントを開催していました。特に印象に残っているのが、北海道メディカルフェスです。小樽で一軒家を借り切って、地域でのキャリアや医療モデルについて考えるワークショップと、北海道に多いエキノコックス症について獣医学部生と一緒に学ぶ勉強会をするというイベントでした。15名程の参加者が集まり、小樽観光などもしながら学びを深められてとても楽しかったです。

IFMSAの活動では、毎回とてもたくさんの人と出会うことができます。新しい出会いのたびにその人の価値観や育ってきた環境などの話を聞いて、自分の主体性、価値観も良い意味で変わりました。自分も頑張らないと、と思うことができ刺激的です。また、私は以前すごく人見知りだったのですが、IFMSAで仲間と会話して自分の考えを受け入れてもらう経験を重ね、人と話すことに自信がついたと感じます。

広い世界に目を向け還元できる医師を目指して

―大学生活で思い出に残る出会いはありますか?

更谷 1年生のときにIFMSAの活動を通じて出会ったネパール人の友人がすごく印象的です。彼は学校の全ての授業内容を英語で学んでいて、世界の学生は自分の母国語だけではなく共通言語である英語を使って勉強しているということにまず衝撃を受けました。英語が苦手な自分を顧みて焦りましたね。そこからTOEFLやTOEICの勉強を始め、日頃の医学の学習で英語の単語が出てきたらセットで覚えるというルールも作りました。1年生のときに出会えて良かったと思います。あとは、友人の紹介で参加した実習先でお世話になった医師の方がとても印象的でした。実家の近くの中標津町というところに、自治体の支援を受けて実習に行くというプログラムで、出会った方は小児科の先生だったのですが、医師として働きながら地域の行政にも関わっていて、地域に根ざした医療の姿を示してくださいました。

実習に参加した学生は私を含めて4人で、医学科が2人、看護学科と作業療法学科が1人ずつでした。地域の児童館で、幼稚園から小学校低学年の子どもを対象にした診察のシュミレーションゲームを企画したり、将来医療系に進みたいと考えている高校生と、勉強法や大学で学べることなどについて話したりしました。実習の中で先生は、「医療というのは患者さんを診るだけでなく、その背景にあることも考えなくちゃいけない。行政に介入することで、医療や治療だけでは解決できない問題を解決できればいいな」とおっしゃっていました。身近な場所にこういった方がいらしたことに感動し、自分もこのように地域に貢献する活動がしたいと思いました。

―将来どのような医師になりたいですか?

更谷 自分の地元の様子から、人口の少ない地域での医師不足を実感しているので、地方など手が足りていない地域で働きたいと考えています。将来的に医師として地元に帰れたらとてもうれしいですが、まずは同じような課題を持った地域どこででも働いてみたいです。地域医療を目指すという観点からも、今は特定の診療科というよりプライマリケア、総合診療のようなものに興味があります。今後は広い世界に目を向けていろいろな経験を積み、それを地域に還元できるような医師になりたいです。

―後輩たちへのメッセージはありますか?

更谷 私は札幌医科大学という単科大学で、他学部や他大学の学生となかなか関わることができない環境でしたが、IFMSAの活動や地域の実習を通して人との出会いを増やすことができました。やはり外との交流は一番刺激があり、やって良かったなと思うことです。自分の大学で活動するのも良いですが、意識して外の世界に目を向けるということが大切だと思います。

 

※本インタビューはオンラインで行いました。

ドクターズプラザ2021年1月号掲載

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