山蔦 桜子 さん
東邦大学医学部3年
2025/07/01
勉強も乗馬も、日々の積み重ねがチャンスを生む!
医療系学生インタビュー(71)
医師の道へ方向転換した高校2年生の出会い
―医師を目指したきっかけを教えてください。
山蔦 もともとは医師ではなく、獣医師を目指していました。私の実家は乗馬クラブを経営していて、子どもの頃から馬と接する機会が多く、将来は獣医師になりたいと考えていたんです。進路を変えたのは、高校2年生の頃。高校1年生の時に「いきいき茨城ゆめ国体」に茨城県代表として出場し、その後会場で出会った先生の乗馬クラブへ通うようになりました。先生は病気と闘いながらアスリートとして活躍をされていて、その姿を近くで見ているうちに、先生のような境遇の方をサポートする医師になりたいと考えるようになったんです。獣医師から医師へ方向転換したことで、現役入学は叶いませんでしたが、1年浪人をして入学することができました。
―東邦大学を選んだのはなぜですか?
山蔦 きっかけは予備校の先生から勧められたことですが、大学のことを調べるうちに、東邦大学の「自然・生命・人間」という建学の精神に惹かれ、入学したいと考えるようになりました。大学の教育理念は、この建学の精神に基づいて「自然に対する畏敬の念を持ち、生命の尊厳を自覚し、人間の謙虚な心を原点として、かけがえのない自然と人間を守るための、豊かな人間性と均衡のとれた知識・技能を育成する」とされています。私の地元は田舎なので、春には祖父と一緒に筍を採りに行ったり、祖母と山菜を採りに行ったりと、自然に囲まれて育ってきました。そのため、東邦大学の教育理念が自分と合っているように感じたんです。
馬術部を作り、部活動にも注力
―どんな学生生活を過ごしていますか?
山蔦 今のところ苦手な科目はなく、学業は順調に進んでいると思います。東邦大学は8人程度の学生に対し1人の先生がつくメンター制度があり、何かあったらすぐに先生と面談ができるようになっています。1年生の時は、みんなで食事会をしたこともあり、他大学と比べて学生と先生の距離が違いのでは? と感じています。また、大学の隣に付属病院があるので臨床医の先生も多く、授業で話を聞くことができるのも、貴重な経験になっています。
―部活動はされているのですか?
山蔦 馬術部とボウリング部に所属し、看護学部の茶道部にも参加しています。もともと馬術部はなかったので、入学して最初に入ったのがボウリング部でした。その後、先輩と一緒に馬術部を立ち上げ、茨城にある実家の「柏乗馬クラブ」を練習場所にしています。学生馬術連盟の一つに、医歯薬馬術連盟というのがあり、私たちの部活はそこへ加盟しています。毎年、いくつか大会があり、今年の初めには馬場馬術選手権という団体戦に参加し、2位に入賞することができました。これまでは普段自分が乗っている馬とともに大会へ挑んできましたが、団体戦では会場側が用意した馬に乗って競い合うので、難しいと感じることも多く、新鮮な体験ができています。
―これまで影響を受けた人や大切にしている言葉はありますか?
山蔦 好きな言葉は「運も実力のうち」という言葉です。私は自分で言うのは恥ずかしいのですが、結構運がいいほうだと思うんです。でもその運は何もしないで得たものではなく、努力を積み重ねた先にやってきたもの。そうやって努力してこられたのは家族がサポートをしてくれて、やりたいことができるように育ててきてくれたからだと感じています。進路を変えた時も家族から反対されることはありませんでした。浪人した時も「とりあえず1年頑張ってみなさい」と応援してくれて、そんな家族の支えにとても感謝しています。
自分で定めた目標だからこそ、走り続ける
―将来はどのような医師になりたいですか?
山蔦 卒業後は整形外科医を目指していて、スポーツドクターにも興味があります。私は東邦大学に千葉県枠で入学したため、卒業後は千葉県内で働くつもりです。スポーツアスリートを支えるだけでなく、千葉の地域の方々を支えていきたいですし、これまでやってきた乗馬を融合させた活動など、何かできたらいいなと思っています。
―最後に後輩たちへアドバイスをお願いします。
山蔦 やると決めたことは最後までやりきってほしいと思います。私自身、もともと勉強がすごくできるわけでもなかったんですが、毎日、コツコツと積み重ねてきました。乗馬も同じです。そうすることで、運も実力もついてくると実感しているので、後輩の皆さんにも最後まで諦めずに挑戦を続けてほしいと思います。また、その上で大切なことは、周りの人への感謝の気持ちを忘れずにいること。いろいろな人に支えられていたことに後から気付くということも、多いと思います。だからこそ、感謝の気持ちを常に忘れずに持っていてほしいと思います。