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信頼される臨床検査技師に

中井 綾子 さん

神戸大学大学院保健学研究科

医療系学生インタビュー(12)

自分の目で確かめて判断することが、この仕事のやりがい

研究が好きで大学院に進学

―大学院での専攻を教えてください。

中井 大学院の専攻は病態解析学専攻です。学部時代は検査技術科学専攻で、4年で臨床検査技師の国家資格を取りました。大学は4年で一旦卒業する形にはなりますが、実質そのまま内部進学しています。研究室は学部から同じ関節リウマチの研究室に所属し、リウマチの起こるメカニズムをさまざまな角度から解明して、治療にどうやってつなげていくのかを探っています。

―臨床検査技師とは、どのようなことをするのでしょうか。

中井 病院内で患者さんと直接触れ合うものとしては採血、血液検査、心電図、エコーなどの一般検査で、裏方としては細菌培養や病理組織検査を行っています。どの検査も患者さんの診断に大切なエッセンスなので、迅速さかつ正確さが必要とされています。

―医療系に進みたいと思ったのは、いつ頃からですか?

中井 うちは母親が薬剤師で、小さい頃から働いている姿を見ていました。姉ももともと文系でしたが、結局薬学部に進学しました。家族の影響もあり、将来を考えて何か資格を持っておきたいと考えて、私も医療系に進みたいと思うようになりました。

―実際進学してみてどうですか?

中井 学部の頃はもっと楽かと思っていたのですが、講義が詰まっていて、思い描いていたキャンパスライフとは程遠かったです。勉強の毎日はかなり大変でしたが、今思えば4年間で勉強したことは修士課程に入ってからちゃんと生かされているので、勉強しておいてよかったと思っています。

―将来の進路はどのように考えていますか?

中井 企業に就職したいと思っていますが、さまざまな方と交流するにしたがって、最近になって進路に悩むようになりました。就職をするかどうかも悩み始めていて、もう一度勉強し直すのも良いのかもしれないと考え始めています。

―周囲の方も進路に悩んでいたりしますか?

中井 研究室の同期は私を入れて3人なのですが、私以外の2人は私とは違いますね。私以上に勉強していますし、3月から解禁になった就職活動も精力的に行っています。

医療系学生の交流会にも参加

―何か部活などをしていますか?

中井 中学の部活は吹奏楽部で、高校は陸上部のマネージャーでした。大学は部活に入らず、自治会という名谷キャンパスの保健学科に独自にある生徒会に所属して、会長を務めました。名谷祭というキャンパスのお祭りを計画し、卒業式の謝恩会の企画にも携わるなど、裏方的な体験はしました。

―医療系の学生との交流をしているそうですね。

中井 個人的には毎年、医学科の夏季セミナーに参加しています。検査技師は、どうしても医療チームを外側から支える立場になってしまうので、あまり医学科の人と交流する機会がありません。それで、参加するようになりました。

―セミナーに参加するきっかけは。

中井 私がセミナーに参加したのは、医学科の友達に誘われたからですが、声を掛けていただかないと、ちょっと参加しにくいですね。交流会は医学科生を対象にしたものが多くて、私達みたいなコメディカルが参加しにくいです。さらに、検査系の人は内気な人が多いので、交流会に参加しようと思う人はあまりいません。でも、だからこそそういう場に自分が行くことで、何か面白い化学反応が起こらないかなと思ったんです。イレギュラーであることを逆に利用してみよう、そんな気持ちで思い切って参加してみました。

―今までに思い出に残る人、出会い、恩師の言葉などはありますか?

中井 夏季セミナーに参加したとき、さまざまな地方のお医者さまとグループセッションのような形でお話をさせてもらえる機会がありました。その時に、「検査系の学生だなんて珍しいよね。でも、普段なかなか関わらない分野の人が、こういう場に一人でも来てもらえるのは、僕はとても嬉しい」という言葉をいただいたのです。このセミナーは私一人で参加しましたし、セッションの内容も医学的なものが多くてついていけないことが多かったのですが、この言葉をいただいて、「よし、頑張ろう。もっと自分が知らない知識をたくさんもらって、自分の視野を広げよう」と思いました。

―最後に、臨床検査技師を目指す人にメッセージをお願いします。

中井 生化学や血液の検査の仕事は機械化が進んでいて、人の手がいらないのではないかといわれていますが、エコーや病理の標本の確認など、最終的な診断はやはり人の目によるところが大きいです。自分の目で確かめて判断することをやりがいにしている検査技師の方は多いので、機械化に負けずに自分の目を養ってお医者さまに信頼されるような検査技師になってもらいたいなと思います。私自身も、もし病院に就職したら、「この人だったらこの検査結果は信頼できる」と言われたいですね。あと検査室はブラックボックスと言われている分野なので、そこはお医者さまや他のコメディカルの方にとって分かりやすくなるように物事を進められるような人になりたいです。

 

ドクターズプラザ2016年7月号掲載

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