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人に寄り添える医師になりたい

山田 潤一 さん

山梨大学医学部

医療系学生インタビュー(14)

臨床だけではなく、障害者福祉や教育も視野に

小さな頃から身近にあった医療

―医師になろうと思ったきっかけは何でしょうか?

山田 二つ上の姉が発達障害で、両親は共働きだったため、小さいころから姉の手伝いをしていました。そのこともあって、障害や医療というものが生活の身近にありました。困難を抱えている人や、生きづらさを抱えている人に寄り添いたいという気持ちが高校時代から強くなり、医療系に興味を持つようになりました。高校3年生の時に病院見学に行き、そこで働いている外科医の先生にお話を聞いて、その先生の生き方・医療観に憧れ、医学部に進学したいと思うようになりました。

―普段はどのように過ごしていますか?

山田 今は5年生ということもあり、朝から晩まで病棟実習にかかりきりです。実習はしんどいという人も多いのですが、学んだことが実習の場面で参考になる瞬間があり、小さな発見や小さな感動体験を積み重ねることができるので、僕は楽しいです。夕方早くに実習が終わった時には、自分で立ち上げた勉強会のサークルに参加しています。山梨は娯楽施設があまり多くないので、何か課外活動の領域で熱中するものを見つけないと大学生活の中身が薄いものになってしまうと思い、仲間を集めてサークルを作りました。そのサークルの他に、「全日本医学生自治会連合」の活動もしています。

―「全日本医学生自治会連合」とはどのような団体ですか?

山田 自治会というのが高校でいう生徒会のようなものですが、全国の医学部学生自治会の横のつながりを作っている団体です。学内ではできないことを学外の領域で解決するという発想ではなく、“自治会”は、学内で実現できないことを学内で実現しようという考えで動いています。学生の要求・要望を聞き、教員と懇談の場を持たせてもらい、学内の教育環境、カリキュラム、研修プログラムなどを教員と学生が一緒により良くしていこう、という団体です。全国組織でもありますので、文科省や厚労省、医学教育学会、各医療機関とも代表者として情報発信をしています。

―思い出に残る出会いはありましたか?

山田 全国の体験ではなく、大学内での話になってしまいますが、医学教育でお世話になっている、山梨大学の救急医学の松田先生との出会いです。松田先生は、「詰め込み型の教育や、テストに出るところを勉強させるだけという医学教育をどうにかしたい」、「医学教育ではなくて医療者教育をしたい」、と仰っています。座学だけではなく、現場体験実習など、学生に大学の外の現場をもっと体験させたい、そのために学生と一緒にこれから山梨大学のカリキュラムを新しく作っていこう、ということも呼び掛けている先生です。僕も、“自治会”の活動をしていく中で大変な時もありますが、その先生の思いに励まされて活動を続けることができています。

地域で求められる医療を提供できる医療者に

―将来はどの科に進もうと考えていますか?

山田 救急か麻酔科に進みたいと考えています。一番お世話になった先生、心を動かされた先生の下で働きたい、という思いがあるので、今のところは、救急の方に気持ちは傾いています。

―救急は仕事がハードで、なり手が少ないと聞きますが。

山田 救急の業務そのものだけでは、なかなかモチベーションを持続していくのが難しいと思います。ですが、医療行為だけではなく、そこを回しておられる先生一人一人の魅力を、お世話になっている救急医学講座の現場感を見て感じています。どうすれば自分もこれからの人たちに、背中で示すことのできる人間になれるだろうかということを考えています。

―麻酔科というのは。

山田 麻酔科医は救急も含め、あらゆる診療科を下から支えているという印象があります。求められる役割としては裏方なのかもしれませんが、救急医と同じくらい重要な役割があると感じています。また、これから超高齢化社会で年配の方が増えていくので、痛みを感じずに最期を迎えるという、疼痛緩和や緩和ケアといったところにも需要が生まれてくるのではないかと思います。

―将来はどのような医師になりたいですか?

山田 まだ自分の中でははっきりとはしていないのですが、その地域で求められる医療をそのまま提供できる医療者になりたいと思っています。また、医師になろうと思ったきっかけでもある姉のような、少し困難さを抱えた方や、少し社会的に生きづらさを感じている方にも寄り添えるような医師になりたいです。大学は臨床だけでなく研究・教育も扱っているので、将来的には大学病院で、臨床だけではなく、障害者福祉や教育、地域の活動や、街づくりなど、広く健康を支える活動も視野に入れつつ働けたらな、と思っています。

2016年8月11日~13日に全国の医療系学生を対象に開いた「第59回全国医学生ゼミナールin群馬」の集合写真。

ドクターズプラザ2016年11月号掲載

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