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一度違う道を歩んだからこそ、揺るがない決意で医療の道へ挑戦する

西原 悠佳 さん

琉球大学医学部医学科2年生

医療系学生インタビュー(47)

公衆衛生に携わるために沖縄で地域医療を学ぶ

―医学部へ編入するまでの経緯を教えてください。

西原 父親が医者だったことや周りに医学部志望者が多かったこともあり、高校3年生の時に医学部を受験しました。でも当時は、なぜ医者になりたいのかが、明確になっていなかったように思います。その結果、志望校には落ちて浪人することになりました。浪人中に改めて将来を考えるようになったのですが、社会を広く見た上で世の中の問題点を知り、グローバルな視点を養いたいと思うようになりました。幼少期に海外で暮らしたことがあり、英語力を生かしたいと思ったこともあります。そこで千葉大学の国際教養学部へ進学しました。それでも変わらず医療への興味はあったので、生物系の研究を選び、将来は公衆衛生に関わる仕事に就きたいと考えるようになりました。卒業後は大学院で公衆衛生を学ぼうと思ったのですが、公衆衛生に携わるにも医学の知識や患者さんと接する体験が必要ではないだろうかと考えるようになったんです。それで、まずは医学部へ行こうと琉球大学に編入しました。

―千葉大学での学生生活を教えてください。

西原 国際教養学部ではディスカッションやプレゼンテーションの場を多く経験しました。国際教養学部にいた経験が、自分の医療に膨らみを持たせることができたらいいなと思っています。授業以外の面では、ゴルフ部の副部長になり運営に携わったことが楽しかったです。また、医療系の勉強会や、医療マネジメントについて学ぶ山本雄士ゼミの運営にも参加していました。山本先生はハーバードのビジネススクールに通われていたので、そこでの資料を活用してケースディスカッションなどを通して学んでいきました。医療の世界を広く知ることができ、自分が関わりたいフィールドはやはり医療なのだ、と実感する体験でした。また、アメリカやカナダへの留学も経験しました。

―琉球大学を選んだのは、なぜですか?

西原 将来は総合診療医になり、患者さんと長期的な関係を築き、地域における医療を確立していきたいと思ったためです。琉球大学は地域医療教育に力を入れており、3年次の離島地域における病院実習など、地域医療の教育環境が整っている点に魅力を感じました。また、6年次は1カ月間、海外で臨床研修をすることができ、自分の英語力やグローバルな視点を生かせると思ったのも魅力でした。

目標を持ち挑戦した経験を医療現場にも落とし込む

―学生生活はどのように過ごしていますか?

西原 現在は2年生の神経科学や薬理学、病理学、微生物免疫学などの授業と同時に、1年生で習う解剖実習などの専門科目もあるので、勉強漬けの日々です。10月以降は今より少し時間ができそうなので、ゴルフ部の活動や、今は他の方に任せている外部団体の運営に、また力を入れたいと考えています。外の活動に携わって視野を広げることで、医学だけに溺れず、社会と医療という視点を忘れずに勉強できると思います。

―今まで影響を受けた人や言葉はありますか?

西原 中学時代の二人の国語の先生にとても感謝しています。一人の先生は、私のことを気にかけてくれて、何かあったらすぐ手を差し伸べてくれる先生でした。もう一人の先生は陸上部の顧問でもあり、厳しい先生でした。顧問に着任した当時、先生の指示で「克己心」という言葉を書いた旗を作ったんです。もともと負けず嫌いな性格だったのですが、毎日その旗を見ながら40分完走などストイックな練習を続けるうちに、肉体的にも精神的にも訓練されたように思います。琉球大学への編入を決めた時も、9月から勉強を始めたのであまり時間がなかったのですが、絶対に負けないという気持ちに突き動かされてやり通しました。

卒業時に先生から巡り合わせという意味を持つ「邂逅」という言葉をいただいて、大切にしています。人との出会いに本当に恵まれている人生だと思うので、一期一会という言葉も好きです。人と一緒にいる時間を大事に生きようと心掛けています。

―最後に後輩へ何かメッセージがありましたらお願いします。

西原 これをしないと後悔すると思うことに出会えたら、すごくラッキーだと思います。だからそういうものに出会えたら、がむしゃらに頑張ってほしいです。その道のりで必要なことがあれば、絶対に諦めないでください。私にとって一つ目のステップは医学部に編入することでしたが、やはり当時はとてもハードルが高いことでした。でも今は挑戦したことが自信につながっています。目標を持った時に人がどれだけ強くなれるかを実感しました。この実体験を医者になった時も生かしていきたいです。地域医療に深く関わるようになると、終末期や高齢者の方と接する機会も多いと思いますし、そういう方に人生の目標や生き甲斐を意識してもらうと、残りの人生は鮮やかなものになるかもしれません。これはまだ自分の中にある仮説なので、学びながら形にしていきたいです。

 

ドクターズプラザ2021年9月号掲載

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