伊藤 寧紀 さん

琉球大学医学部医学科6年

2026/01/05

西洋医学も中医学も身に付け、海外での医療活動も視野に

医療系学生インタビュー(74)

自然と芽生えた、医師という職業への夢

―医師を目指したきっかけを教えてください。

伊藤 父が医師ということもあり、自然と医師になりたいと思うようになりました。母いわく、幼稚園生の頃、七夕の短冊に「お医者さんになりたい」と書いていたそうです。あまり覚えていないのですが、小さい頃からの夢だったのだと思います。高校生の頃に、手術の縫合体験などができる「ブラック・ジャックセミナー」や医師体験イベントなどへ参加し、より現実的な夢として、思いが強くなっていきました。

―なぜ琉球大学を選んだのですか?

伊藤 沖縄は歴史的にも学ぶことが多く、国際的な街であると感じており、いつか行ってみたいところでした。琉球大学は海外の大学で臨床実習ができる研修プログラムが用意されていたり、海外からの留学生の受け入れにも積極的であったりと、国際交流が活発に感じたのも魅力の一つです。しかし、ちょうど入学した年にコロナ禍になってしまい、留学することができなかったことは、非常に残念でした。

国内と国外、西洋医学と中医学を行き来し、勉強を重ねる

―サークルや部活動などされていましたか?

伊藤 バトミントン部と漢方の勉強をする中医学研究会、医療系サークルのOff the clockで活動をしています。中医学研究会では、中医学や日本漢方を学ぶ全国の研究会やサークルが集まる大会に参加したり、地域ごとの定例会に参加したりしていました。Off the clockは救急医療に関するサークルで、初めは臨床推論などに取り組んでいましたが、最近は総合診療など幅広い分野に広げ、興味のある医療についてグループをつくり、勉強をしています。

―学外では、どのような活動をしていましたか?

伊藤 1年生の頃から、医療学生団体のIFMSA-Japanに所属していました。いろいろな委員会が設置されていて、「公衆衛生」や「性と生殖に関する健康と権利・HIV/AIDS」「人権」「医学教育」などさまざまな委員会に所属しました。2年生になると「性と生殖」委員会で副責任を務め、3年生では事務局長を務めました。ちょうどこの頃は、コロナ禍によってオンラインで開催されていたものが対面へ移行する時期。4年生になって日本総会の運営委員長を務めた際は、初めて対面イベントを開催することができました。全てが初めてかつ規模が大きかったため準備も大変だったのですが、思っていた以上の人が集まってくれて、とても印象に残っています。

また、 IFMSAは世界中で総会があり、私自身もこれまでマレーシアやトルコ、エストニアの総会へ参加しました。

―これまで影響を受けた人や、大切にしている言葉はありますか?

伊藤 「闊達自在」という言葉を大切にしています。もともと私は、いろいろな世界を見てみたいという気持ちがありました。IFMSA-Japanに入ってから、より視野を広く持って柔軟にさまざまな考えを吸収していきたいと思うようになりました。IFMSA-Japanは、活発に動いている人たちが全国から集まっています。そういう仲間達の姿を見て、自分ももっと挑戦していきたいと考えるようになりました。それには、小さなことにはあまりこだわらずに活動することが自分には合っていると考えるようになりました。それを表すような「闊達自在」という言葉は、バドミントン部の活動でも、座右の銘として記しています。

まずは飛び込んでみる。それが人生の幅を広げる

―将来はどのような医師になりたいですか?

伊藤 将来は漢方もしっかりと使える医者になりたいと考えているので、総合診療科か産婦人科に進みたいと思っています。中医学では、体全体や精神状態、生活背景を含めて『人を全体で診る』という視点があります。それを学んでいるうちにその考え方と近しい、人を総合的に診る「全人的医療」を掲げる総合診療科に惹かれていったという経緯があります。また将来医師になって診察することができる疾患の幅を考えると、使用できる漢方の幅も他の診療科より広いと考えました。漢方のメリットとして、西洋医学では対応しにくい症状へのアプローチができると考えているので、総合診療科にかかわらず全ての診療科で役立つと考えています。最初の頃は、総合診療を目指していましたが、産婦人科は女性が生まれてから亡くなるまでのライフステージを総合的に見ていくことができ、漢方を使った診察もしやすいので、興味を持つようになりました。また、いつか海外医療派遣ボランティアにも参加したいので、それまでに総合的な医療経験を積み準備していきたいと考えています。

―最後に後輩たちへアドバイスをお願いします。

伊藤 医学部へ入学して改めて思ったのは、医学の勉強は本当に大変だということです。でも、一つひとつの知識が将来の患者さんにつながるものだと思って、ぜひ乗り越えてほしいです。また、まだ自分が、どのような医師になりたいか分からない人も多いと思います。そんな時は、ぜひ6年間の大学生活で勉強以外に挑戦できるチャンスを大切にしてください。少しでも興味のあることへ飛び込んでみることが重要だと思います。そこで得た経験が、自分の考えの幅を広げ大きな目標へとつながっていくと思います。私自身もそうやって将来のイメージを膨らませてきたので、ぜひ、みなさんにもチャレンジしてほしいと思います。

フォントサイズ-+=