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看護師の正しい認知とリテラシーの向上を

松井 晴菜 さん

聖路加国際大学看護学部

医療系学生インタビュー(4)

親子三代の看護師の教えを受け継ぎ、看護学の可能性を追求する

学外活動にも積極的に参加。Web上で交流サイトを設立

―看護師を目指そうと思ったきっかけは何ですか。

松井 私の母親が現役の看護師で、祖母も以前看護師をしていて、とても身近な職業でした。子どもの頃は親と同じ職業に就くのが嫌だと思っていましたが、国家資格であり女性として自立できることと、母親からよく「看護学は、生きていく上で役に立つことを学べる学問だ」と言われて育ったことから、看護学部で学んでみたいと考えるようになりました。実際に入学してみると、人間の健康について学ぶ学問であり、身近な人を守ることができるという意味でも、母親の言っていることは正しかったと実感しています。

―どのような学生生活を送っていますか。

松井 将来医療の現場に出た時に、看護以外の分野を知ることで何か問題を解決しようと動ける人間になりたいと思い、学外の勉強会やイベントなどの存在を知ってから、積極的に参加するようになりました。学外活動を始めた最初の頃、ある病院の院長先生の講演を伺った時に「日本の医療を輸出産業に育てる」とお話されているのを聞いて感銘を受け、医療を取り巻くさまざまな分野の視点を持つことが重要なんだと実感しました。さらに、祖母は常々私に「看護学は人間についての学問だから、他の分野でも活かすことができる。」と話してくれた影響もあったのだと思います。学外でいろいろな方と接する中でその教えを踏まえ、看護とそれ以外の分野を掛け合せて考えるようにしていました。共通点や違い、可能性を探るうちに、もっと社会のことを知りたいと思うようになりました。

―具体的にどんな活動をしていますか。

松井 現在、私の友人3人と一緒にインターネット上で「M- Labo(エムラボ)」という医療系メディアを設立・運営しています。医療者や学生にライターとして登録して好きな記事を書いて投稿し、運営側がそれらを管理してWebサイトに掲載します。一定のクオリティを保ちつつ、定期的に記事をアップしなければいけないので、編集者がいかに大変かを実感しました。サイト構築や記事作成のノウハウも皆無だったので、運営面では様々な人に意見を聞きながら進め、メディアやジャーナリズムについて学ぶきっかけにもなりました。また、それぞれの運営の強みを生かそうということで、オフラインでのイベントを開催したり、インタビュー企画を進めて様々な分野で活躍されている人の話を記事にして発信したりしました。活動を下の代へと継続していくことは苦難が伴うと思いますが、私自身はここでの出会いや経験は今後の人生にとても意義があるものだったと感じています。

看護師という職業の正しい認知と、看護学の可能性の追求

―これまでに印象に残った出来事や出会いはありますか?

松井 自分と同じような志を持っている、ある病院の看護部長兼副院長をやっていらっしゃる看護師さんとの出会いです。大学の看護リーダーシップ論という授業でインタビューをさせて頂きました。看護職の将来は多様なので、その方は様々な職を経て今の立場で働かれています。その中で、同じ志でも自身の立場によって社会に貢献できる規模が違うということを知りました。また、どんなに苦難があっても常に前向きに考える姿勢がとても素敵でした。私は私なりの生き方をしていくと思いますが、どういう風に働くことになったとしても自分の志を貫いて芯のある人生を生きたいと強く思いました。

―理想とする看護師像は。

松井 目の前の人の命を救うだけではなく、より広い視野を持ち社会へ発信できる看護師になりたいです。看護師という職業や看護学の発展も貢献できる存在になるのが理想です。看護師という職業は、世間一般から見てまだまだ理解されていないと感じることが少なくありません。看護師に対する一般的なイメージというと、医師のお手伝いさん的な立場で、お風呂やトイレの介助とか直接患者さんが見て取れる動作や、患者さんに注射をするような職業だと思われがちです。それは私自身も同じであり、4年間看護大学で学びいろんな人と関わる中で、看護職の発信不足も原因なのではないかと思うようになりました。看護師は、患者の健康や生命を守る重要な知識や技術を学び実践に生かしている専門職なのです。もっと学問として認識されて欲しいと思っています。そういう看護師の知識や技術を、一般の方々にもっと知ってもらうことは、人々のヘルスリテラシーの向上にもつながるのではないかと思います。

―将来の夢は?

松井 日本は課題先進国と言われ世界の中でも課題解決を先導していかなくてはならない立場にあります。様々なところでイノベーションという言葉を耳にしますが、健康課題の解決には看護学は他の分野と連携していかなければその社会の波に取り残されてしまうという話を講演で聴きました。さらに言えば、看護学は文理融合の学問です。まだ、誰も知らない可能性が秘められているような気がしてなりません。これらを含め、まずは臨床経験を積み将来はまだ模索中ですが、その時々にあった何らかの手段を使い、一般市民と医療や看護を結ぶコミュニケーターのような働き方をしたいと考えています。

 

 

 

ドクターズプラザ2014年11月号掲載

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